122 田舎のお家の夕ご飯

南フランスの小さな村、ランス レスタン(Lens Lestang)で、バッグの工房を営むロールさん(奥様)、シルヴァンさん(ご主人)夫妻のお宅で、夕ご飯をいただきました。

ロールさんが夕ご飯の仕度をしてくださっている間、シルヴァンさんと3人で裏山へお散歩に。
春まだ浅い里山をのんびりと歩くのは、それだけで心が和むもの。
また、これからご馳走になる夕ご飯を、より一層美味しいものにしてくれます。

お散歩の後は、息子さんのジュリアス君も加わって、皆んなでおしゃべり。

食前酒に地元(コート デュ ローヌ:Cotes du Rhone)の白ワインをいただきながら、おつまみはタプナード(tapenade:オリーブの実を練って作った南仏プロヴァンス地方の調味料・料理)や干しトマトのペーストを乗せたバゲット(baguette:いわゆる普通のフランスパン)です。

そして、今晩の主菜は蒸した4種類の野菜、フヌイユ(fenouil:フェンネル、ういきょう)、カリフラワー、にんじん、じゃがいもと、ゆっくりと時間をかけて水に戻した干し鱈を蒸したもの。

これに、シルヴァンさん特製のアイオリ(aioli)をかけていただきます。
アイオリとは、卵黄1つに同量のマスタードを加えて、さらに菜の花から採った油とオリーブ オイルをたっぷりと加えて混ぜ、最後につぶしたニンニク2かけらを入れたソースのこと。

あまりの美味しさに、どんどん食べてしまった私達。
シルヴァンさんがお替わりをなさる頃には、ソースのボールは空っぽになっていました。

また、ワインは地元の赤。
色は濃く、香りは甘く香ばしい、優しさと力強さとを持ち合わせた1本でした。
なお、いつも思うことだけれど、その土地(産地)でいただくワインは、本当に美味しいと思います。
あまり上手く表現することはできないけれど、そこの空気としっくりする…と申しましょうか…。

さらに、食後は山のチーズ。
詳しいことは分かりませんが、香りもクセも強い、こってりとしたタイプ。

そして、デザートはオレンジのコンポート。
食べやすい大きさに切ったオレンジと、モロッコで買ったというナツメヤシが入っています。
美味しくて、何度もお替わりをしてしまいました。

南仏の小さな村の、静かな山合いのお家でいただく春の日の夕ご飯は、心も身体も温かくなるような、優しい味でした。