072 カフェオレボウルって?
先日、フランス人のご家庭で夕ご飯をご馳走になった時のこと。
シャンパンで乾杯したあと、目の前にスープが運ばれてきました。
ベーコンや玉ねぎ、にんじんなどがたっぷり入った、とても美味しそうなスープです。
そして一口いただくと、本当に美味しい…。
すっかり秋も深まった今日この頃、野菜たっぷりのスープは身も心も温まります。
僕がスープをペロリと平らげると…
「もっとあるけど、良かったらお替りしませんか?」
…とのこと。
お言葉に甘えてお替りをお願いする時に、僕が器を差し出しながら…
「ところで、これ、カフェ オ レ ボウルですよね?」
…と言ったら、その場にいらした皆さんがキョトン!とした表情をなさいました。
「えっ、何ですって?」
「この器、カフェ オ レ ボウルですよね?」
「カフェ オ レ ボウル…?」
「えっ! 違うんですか?」
驚いたことに、フランスではカフェ オ レ ボウルとは呼ばず、単にボウル(bol)と呼ぶそうです。
そしてまた、その用途もカフェ オ レを飲むためだけに使うのではなく、いろいろなものを飲んだり食べたりするための器として使っているとのことでした(要は、日本の丼や椀のように…)。
パリに来たばかりの頃、この器を使ってカフェ オ レを飲む人は少ない(日本と同様、普通のコーヒーカップなどを使って飲む人が多い)とは伺っていたのですが、カフェ オ レ ボウルとすら呼ばないことを知り、本当にビックリ!
「日本では、カフェ オ レ ボウルと呼ばれていて、とても人気があるんですよ。アンティークのもので状態が良ければ1個70ユーロ(約10,000万円)くらいします」
…と僕が言ったら、皆んな目を丸くして驚いていらっしゃいました。
「何なら、このボウル売ってあげるけど、どう?」
…ですって!