039 忘れられない夏 2/2
南仏、カシ(Cassis)の町。
マルセイユ(Marseille)から南東に約30キロ。
大きくて、賑やかで、雑然としたマルセイユとは対照的に、小さくて、のどかで、美しい港町。
カシの町にて。
名所旧跡など、特に観るものはないけれど、のんびりお散歩したり、海水浴を楽しんだり、ゆっくりご飯を食べたり…。
カシの港。
83年頃に日本で放送されたテレビドラマ「スチュワーデス物語」では、南仏マルセイユという場面のいくつかが、このカシで撮影されたのだとか。
マルセイユよりも格段に美しい場所だけに、それもうなずける。
カシの港に面したレストラン、NINO。
観光案内所のお兄さんお薦めのお店。
これはNINOのメニューに描かれていた絵。
ご覧の通り、とても感じの良いお店。
●NINO
1 quai Jean Jacques Barthelemy 13260 Cassis
レストラン、NINOにて。
前菜の魚のタルタル(要は、たたき)。
サッパリとした美味しい味。
日本人の僕としては、お醤油で食べたかったくらい…。
NINOにて、主菜にいただいたルジェ(rouget:ひめじ)。
南仏のレストランではよく出るこのお魚、白身でとても上品なお味。
またワタ(内臓)の部分も苦味があって、これまた結構。
NINOでいただいたデザート、フルーツのサラダ。
3番地の家。
南フランス、カシにて。
南仏の、夏の日差しに照らされて、白い花が輝くようだった…。
カシの裏通り。
日なたはとても暑いけれど、日陰に入ると思いのほか涼しい。
小径の向こうから、心地良い海風が吹いてくる。
ブーゲンビレア。
強い日差しに照らされて色もクッキリ!
もともとは中南米の熱帯雨林が原産のこの植物、発見したのはフランス人の探検家ブーガンヴィル(花名の由来)。
カシの町、教会前の広場。
夏の日の午後、ジッ、ジッ、ジッという蝉の声だけが盛大に響く。
カシの町の教会にて。
この車、ちゃ~んと日陰に停めてある。
これ、神父さんの?
カシの町中にある小さな噴水。
今日は本当に暑いから、皆、木陰に入って、噴水で涼を楽しむ。
また、手にはアイスクリームが。
カシの町の小さなホテル。
建物1階の窓をすべて開け放ち、その中を風が通り抜けていく様は、とても気持ち良さそうだった…。
フランス国鉄(SNCF)、レスタック(L'Estaque)の駅。
田舎の小さな無人駅。
夏の日差しに包まれて、ひっそりと静まりかえっていた…。
この駅で電車を降りたのは、私達のみ。
レスタックの町、画家のセザンヌが住んでいた家の辺りから。
赤瓦の屋根と、その向こうに広がる地中海のコントラストが美しい。
本当にひっそりとしていて、静かなところ。
夏の日の午後、こんなところでぼんやりと海を眺めているのも楽しい。
どこからか、セザンヌが筆を走らせる音が聞こえてきそう…。
レスタックにて。
ミストラルの抜け道(TRAVERSE MISTRAL)だなんて、おしゃれなネーミング。
ちなみにミストラル(mistral)とは、南仏に吹く特有の強い風のこと。
レスタックの町でお昼ご飯。
ここでも、カシの白ワインをいただきました。
カシには12の蔵元があるそうですが、そのすべてを飲んでみたい。
地中海に沿って西へと走る電車の窓から、レスタックの町を望む。
何もない町だけれど、画家達がこの風景を愛した理由が解る気がする。
太陽の光が燦々と降り注ぎ、そして、静かで、のどかで…。
マルセイユは今日も暑い。
連日、35度から40度近い気温…。
でも湿度が低く、また常に海からの風が吹き、案外、心地良い。
マルセイユは坂の町。
坂道を登ったり下りたりしながらのお散歩は楽しい。
時々坂の向こうに海が見えたりするのは嬉しい。
サボン ド マルセイユの老舗にて。
棚の上に残っていた昔むかしの石鹸。
最近はおしゃれな石鹸が増えたけど、元々は素朴なものだったようです。
南フランスの新聞、ラ プロヴァンス(La Provence)のカシ特集号。
一面に掲載された、カシの町を上空から捉えた美しい写真。
残念ながら、この僕には読んで内容を理解するだけの力はないけれど、眺めているだけでも楽しかった。
フランス国鉄(SNCF)、マルセイユ(Marseille)- ミラマ(Miramas)線。
ter(テー ウー エール:Train Express Regional)と呼ばれる電車が走る。
以前から海沿いを走る電車に乗ってみたいと思っていたけれど、今回、その夢が叶った。
車窓からは、本当に美しい地中海が…。
あぁ~、人気テレビ番組「世界の車窓から」のよう…。