2006年11月04日(土) 何十年ぶりの里帰り

パリのクリニャンクールの蚤の市に、日本や中国の古い絵を扱う骨董屋さんがあります。
8月の下旬、俳人の黛 まどかさんとパリの蚤の市めぐりをしていた時のこと、このお店で1枚の浮世絵が目に留まりました。
1821 KUNISADA(1821年 国貞)と記されたその浮世絵には、坂東 三津五郎や歌右衛門が描かれており、タイトルは大坂道頓堀 芝居楽屋の図となっています。

私は浮世絵のことはよく分からず、この日は買わずに帰ったのですが、後日、日本に戻ったまどかさんから…

「あの浮世絵を手に入れて欲しい」

…との連絡がありました。

そして、現在の坂東 三津五郎(十代目)さんにお送りすることになり、9月半ばにパリからお送りしました。
この浮世絵にとっては、何十年ぶりの日本への里帰りだったのでしょうか…(約180年ぶり?)。

なお先日、私が日本に一時帰国した際に三津五郎さんとお会いして、丁寧に額装された浮世絵を見せていただきました。
三津五郎さんに…

「家宝にします」

…なんておっしゃっていただいて、この浮世絵は何と幸せもの。
あぁ、本当にめでたし、めでたしなのでした。

フランス パリ 蚤の市
クリニャンクールの蚤の市で見つけた浮世絵、大坂道頓堀 芝居楽屋の図。

フランス パリ 浮世絵
浮世絵に描かれた、三代目坂東 三津五郎。