514 子供とともに
フランスでは、子供の成長に合わせて生活のスタイルを変えるという話をよく聞きます。
うちの凪さんが3歳になり、公立の幼稚園に入園するこの時期は、特にそういう話が多いのかも知れません。
以前に凪さんが通っていた私立の幼稚園で仲良くなったアメリさんは私と同世代。
子供が幼稚園に入るのを機に仕事を再開するため、数か月前から時間をやりくりして職業訓練を受けていました。
職種は、前職とは異なるインテリア コーディネーター。
「私達家族は、1年後には窮屈なパリを離れて、海に近い田舎の町に、広い庭付きの家を買って住むことに決めたの。だから会社には就職せず、フリーランスで始めてみようと思って」
…とのこと。
この夏、親戚が別荘を持っているフランス、ノルマンディー地方の自然の中で過ごし、子供が元気よく走り回る姿を見て、ご主人もパリでの仕事を辞め、家族揃って田舎に引っ越すことを決心したのだとか。
もう1人、幼稚園のママ友として仲良くなったジョアンナさんも、やはり同世代。
昨年末に生まれた2人めの子を生後5か月から保育ママさんにあずけ、とある企業のマーケティングのお仕事を再開しています。
しかし、子供2人では現在のアパートが手狭になったため、パリの郊外に広いアパートを買い、この秋にお引越しの予定。
「今のままだと、保育ママさんに支払うお金だけで、お給料の半分くらいをもっていかれちゃうの…。
フランスは、同じ会社に長く勤めても昇給がほとんどないから、お給料を上げるためには転職しないとダメなのよ。
だから今、トレーニングを受けているところなんだけど、上手くいけば、10月頃には引越し先から通い易くて、今よりも1.5倍のお給料がもらえる会社に転職できそうなの。
また、郊外に住むとなると車も必要だから、主人は今、自動車学校に通っている最中なのよ~」
私達日本人からすれば、小さな子がいる場合、新たに就職したり、転職したりするのはとても難しそうに思うのですが、住む場所を自ら選び、また、そのためにより良い仕事に就くという希望を実現している彼女達の話を聞いていると、何とも気持ちが良いのです。
せっかく仲良くなれたお友達がパリを離れてしまうのは寂しいけれど、遊びに行ける場所ができると思えば、それもまた良しかな…?