505 からすのパン屋さん

当店は、2月13日をもって開店7周年を迎えました。
8年前、私達2人はパリに来て、フルールドクールを始めました。
もともと、フランスに知り合いがいるわけでもなく、フランス語もできず、日本にいる時はまったく異なる業種のサラリーマンだった2人がどこまでできるのか…。

もしかしたら3か月くらいで日本に帰らなければならないかも知れないね…と話していたものですが、そうこうしている間に丸7年。
その間に娘も生まれ、私達は3人家族になりました。
今、こうしていられるのも、皆さまのおかげです。本当にありがとうございます。

ところで、娘のお気に入りの絵本のひとつに、かこ さとしさんがお書きになった「からすのパン屋さん」があります。

あらすじは…

ある日、森の中でパン屋を営むからすの夫婦に、子供が生まれました。
子育てがはじまり、仕事との両立が難しく、だんだん貧乏になってしまいます。
ところが、子供がおやつに食べていた失敗作のパンを他のからす達が見て、同じパンが食べたいと来店。
子供達もパン作りを手伝って、次第にパンの種類もお客さんも増え、お店は大繁盛。
町で評判の、立派な素晴らしいお店になるというお話です。

また、この絵本のあるページに、こんなことが書かれています。

「パンやさんの おとうさんは、
あさ はやく おきて、
せっせと こなを ねって、
パンをやきました。

けれども、あかちゃんが なきだすと、
とんでいって あやしたり、
だいたりするものですから、
ときどき まっくろに
パンを こがしたり、
はんやきパンを つくったりしました。

(途中省略)

そんな こんなで、
パンを かいにくる
おきゃくさんが、
だんだん へって、
だんだん びんぼうに
なっていきました」

出典:からすのパンやさん 作・絵:かこ さとし 出版:偕成社

このページを読んでいると、まるで自分達のことのようで、涙が出そうになります…。

しかし、この「からすのパンやさん」のようにフルールドクールを立派な素晴らしいお店にできる日を夢見て、まずは絵本の、次のページに進むことができるよう努力したいと思います。
今後とも、どうぞよろしくお願いいたします。