470 きれいだよ
フランスでは、若いカップルはもちろんのこと、子連れのご夫婦、おじいちゃんとおばあちゃんでも、道で抱き合ったり、キスをしたり、肩や腕を組んで歩いたりしています。
それに加えて、「愛してるよ」なんて言葉を交わすお2人の姿もよく見かけます。
日本人の私としては、そんなお2人の様子を目の当たりにすると恥ずかしかったり、目のやり場に困ったりするのですが、先日、心がポッと温かくなるような、さりげないやり取りを目にしました。
それは、凪さんと同じ託児所に通うスイス人のお友達のお宅にお邪魔して、子供達を遊ばせながらお茶をご馳走になっていた時のこと。
ローマにご出張中のイタリア人のご主人から、スカイプ(Skype:インターネットを使った電話)がかかって来ました。
パリでお留守番をしている奥様とお子様の様子を伺うためのお電話だったのです。
私と凪さんもパソコンの画面に登場し、ご主人にご挨拶をさせていただきました。
何だか、こちらまで気分が明るくなる様な、爽やかで、優しそうなご主人でした。
なお、この時、ご主人はローマにあるご実家からスカイプをかけていたようですが、カメラの調子が良くないのか、少し画像が粗いようでした。
そこで、友人(奥様)がご主人に向って…
「ねぇ? 画像が悪くて、あなたの顔がよく見えないわよ」
…と言いました。
するとご主人は…
「あれ? そう? でも、僕の方から見る君はとてもきれいだよ」
…と、サラリッと言ったのです!
日本人の男性でこのセリフをジョークとしてではなく、自然に言える人ってなかなかいないように思いませんか?
友人は少し笑っていましたが、私はそんなさりげない一言にちょっぴり感動してしまいました。
そして、それを傍らで見ている子供達も幸せだなぁ~と思うのです。
小さな頃から大人達のこういうやり取りを見て育つので、大人になっても同じようにできるようになるのでしょうね。