449 本場の味
先日、お昼ご飯にパエリア(スペイン東部、バレンシア地方の郷土料理)を食べていた時のこと。
「これ、美味しいね。でもいつの日か、本場(スペイン)に行って食べてみたいね」
「そうだね。でも、パスタも食べてみたいな~。いつの日かイタリアに行って、本場の美味しいパスタが食べてみたい」
「ところで、フランスならどんな料理になるんだろう。フランスが本場の料理って、何がある?」
なお、ここで僕が思っているのは、きれいでお洒落なフランス料理ではなく、もっともっと庶民的な、郷土料理のようなもの。
そして思いついたのが、以下のお料理です。
●ラタトゥイユ(ratatouille)
南フランス、プロヴァンス地方の野菜の煮込み料理。
恐らく、いままでに一番たくさん食べたフランスの郷土料理。
フランスの郷土料理の代表選手、または、家庭料理の代表選手と言っても過言ではない(?)。
ここパリでもラタトゥイユを食べることはできるけれど、やはり南仏プロヴァンスの、あの光と風の中で食べたい!
●アイオリ(aioli)
ニンニクが効いたマヨネーズソースを、茹でたり蒸したりした熱々の野菜や干し鱈(たら)に付けて食べるお料理。
これはレストランで食べるお料理というよりも、家庭で食べるおふくろの味という感じ。
数年前の春、南仏の田舎にある知人宅にお邪魔した時に、お家の前に広がる畑で採れた春野菜を鱈と一緒に蒸し、アイオリをたっぷりかけていただいたことがある…。
この時は、「フランスでも干し鱈なんて食べるんだ!?」と驚くとともに、地酒であるローヌ地方のワインの味と相まって、身悶えするほどに美味しかった記憶がある。
そしてそれ以来、春になると猛烈にアイオリが食べたくなる!
●ブフ ブルギニョン(boeuf bourguignon)
フランス中部、ブルゴーニュ地方の牛肉の赤ワイン煮。
これも良く食べるお料理の1つ。
フランスの庶民的なレストランなら、どこのメニューにも載っている(?)。
しかし何と言っても、本場ブルゴーニュでいただくのが1番。
当然ながら、ワインにも良く合う。
なお、牛肉を使ったお料理なんて言うと高級感があるけれど、感覚的には日本の牛丼のような、とても身近なお料理。
なお、その他にもアルザス地方のベックオフ(baeckeoffe)やシュークルート(choucroute)、ラングドック地方のカスレ(cassoulet)、バスク地方のピペラド(piperade)、ロワール地方の川魚料理などが頭をよぎったけれど、スペインのパエリアやイタリアのパスタに比べると、肩を並べる…という程ではないかも知れない…。
「ところでパリは? パリと言えば何?」
「えっ…」
「えっと…」
「マッ、マカロンとか?」
皆さまもいつの日か、本場の味を楽しみにお出かけください。