436 今年はフランス風に

時の経つのは本当に早いもので、12月も半ばを過ぎました…。
皆さま、いかがお過ごしでしょうか。
きっと、日に日に慌しさが増していることと思います。

さて、もうすぐクリスマスになりますが、皆さまは今年のクリスマスをどのようにお過ごしになりますか。
ここフランスでは、クリスマスは家族揃って楽しく食卓を囲む日。

そこで今日は、フランスのご家庭がクリスマスに召し上がる、一般的なお料理をご紹介したいと思います。
そして皆さまが、今年のクリスマスにご家庭でお料理をお召し上がりになる時に、どれか1つでもお試しいただけたら嬉しく思います。

●食前酒(アペリティフ:aperitif)
シャンパン(champagne)をいただきます。
シャンパンとは、フランスのシャンパーニュ地方で作られた発泡ワインのこと。
冷蔵庫でよく冷やしてからお召し上がりください。
お好みで、カシス(cassis:黒スグリ)のリキュールを加えてキール ロワイヤル(kir royal)にしたり、フランボワーズ(framboise:ラズベリー)のリキュールを加えてキール アンペリアル(kir imperial)にすると、お祝い気分もより一層高まるものと思います。

●前菜(アントレ:entrer)
生牡蠣やフォアグラ(foie gras)をいただきます。
日本ではクリスマスに生牡蠣というイメージはないものと思いますが、フランスでは最も一般的なクリスマスの前菜です。
できれば殻つきの、新鮮なものをお召し上がりください。
一方、フォアグラとは、必要以上にエサを与えて育てたガチョウやカモの肝臓のこと。
パテ状のものは1センチくらいの厚さに切って、また、生のものは軽く焼いてからいただきます。
なお、生牡蠣にはシャブリ(Chablis)のワインが、また、フォアグラにはソーテルヌ(Sauternes)やモンバジャック(Monbazillac)のワインが合うと言われますが、食前酒の続きとしてシャンパンでも良いと思います(個人的にはシャンパンの方がお薦めです)。

●主菜(プラ:plat)
プレ ロティ(poulet roti)、いわゆるロースト チキン、鳥の丸焼きです。
なお、クリスマスに食べる鳥の丸焼きは、お腹の中に栗やキノコなどの詰め物をして焼きます。
ただし、鳥にもいろいろな大きさや種類がありますし、また、事前の処理も(鳥をさばくのも)大変なうえ、お腹の中に詰め物をした鳥を家庭用のオーブンで上手に焼くのは至難の業なので、専門のお店が焼いたものを買って来ても良いと思います。
また、鳥の丸焼きには、お好みの赤ワインをお薦めいたします。

●チーズ(フロマージュ:fromage)
前菜、主菜の次はチーズです。
日本では、お酒のおつまみとして食べることの多いチーズですが、フランスでは主菜の後にいただきます。
なお、チーズにはたくさんの種類がありますので、お好みで2~3種類を揃えてみてはいかがでしょうか。
ただし、あまり馴染みのないものだと思いますので、無理に揃える必要はありません。

●デザート(デセール:dessert)
ビュッシュ ド ノエル(buche de Noel)と呼ばれる、薪の形をしたケーキをいただきます。
フランス語でビュッシュ(buche)は薪のこと、ノエル(Noel)はクリスマスのことですので、クリスマスの薪という意味になります。
最近では、日本のケーキ屋さんでも売っているそうですので、是非、お召し上がりになってみてください。

●お茶(カフェ オ テ:cafe ou the)
コーヒーや紅茶、ハーブティーなどをお好みで。
最近の僕のお気に入りはザクロのお茶。
ほのかな酸味とスッキリとした甘みがとても美味しいのです。

それから最後に、大切なことをもう1つ。
お料理をご自分でお作りになるにしても、また、どこかでお買い求めになるにしても、お皿に乗せてテーブルに出す前に、必ず愛情を添えてくださいます様に!

ジョワイユ ノエル(Joyeux Noel:メリー クリスマス)!