422 舶来の○○に水割りの××?
前回に引き続き、南仏マルセイユに住む友人達と交わした他愛ない会話の中から、とっても印象的だったお話を2つご紹介したいと思います。
1. ジュリエットさんのお弁当箱
ジュリエット:「最近、私、毎日お弁当を作って、仕事に行ってるんだ。前に裕子が作ってくれた日本のお弁当がすごく良かったから、私もおにぎり作ったり、カップケーキの型におかずを詰めて持って行って、それを昼休みに食べているの」
裕子:「フランスには売っていないけど、日本には可愛くて便利なお弁当箱がたくさんあるんだよ。日本の子供達の中には、幼稚園や学校にお弁当を持って行く子もいるから、お母さん達はアニメのキャラクターを海苔などで描いたお弁当(キャラ弁)を作ったりしているんだって」
ジュリエット:「キャラ弁なんて、すごいね! 私なんて、おにぎりも上手くにぎれないもの…。食べる時、ボロボロ崩れちゃうの…」
裕子:「確かにフランスのお米は粘り気の少ないものが多いから、ちょっと難しいかもね」
ジュリエット:「あっ、そうそう、私、マルセイユ中を探してやっと日本のお弁当箱を見つけたの! ほら、これ、2段になっていて、和風の模様が可愛いでしょ?」
裕子:「へぇ、フランスでも売っているんだね? でも、高かったんじゃない?」
ジュリエット:「38ユーロ(約6,000円)もしたの! 後でインターネットで調べたら、日本では4ユーロぐらい(約600円)で買えるらしいのよ! もう~悔しいから、海外発送してくれる日本のネットショップで、別のお弁当箱も注文してみたの。そしたら今度は、それが待てど暮らせど、届かないのよ! それで聞いてみたら、どうやらフランスの税関で止められて、そのまま日本に送り返されちゃったって言うのよ! 税関とやり取りしたり、日本のお店に問い合わせたり、らちが明かなくて、もう~メチャクチャ大変!」
裕子:「私の両親のところに一旦送ってもらってから、フランスに届けてもらう?」
ジュリエット:「そうしてもらえると助かるわ~! お弁当箱が欲しいだけなのに、超複雑なんだもの!」
2. 薄めた醤油
リサ:「昨年、身体を悪くしてから、BIO(有機栽培)のものを食べるようにしているの。野菜は毎週水曜日に開かれるBIOのマルシェ(朝市)に行って買っているし、肉よりも魚を多く食べるようにしているし、大豆製品もほとんど毎日食べるんだよ」
裕子:「昔の日本人みたいだね」
リサ:「そうなの! 日本食は身体に良いから、炊飯器を買って、毎日お米を炊いているんだよ!」
裕子:「炊飯器なんて、私も持っていないのに! マルセイユで、よく見つけたね!?」
リサ:「本当、マルセイユには日本食レストランもほとんどないのにね」
裕子:「ところで、今日の夕ご飯は何?」
リサ:「ズッキーニと豆腐の燻製の炒め物、それとお米。炒め物には塩を入れていないから、お好みで醤油をかけて食べてね。私は何にでも、この醤油をかけているの。あっ、そうそう、このペットボトルに入っている醤油、水を入れて薄めてあるから!」
裕子:「えっ!? 水なんて混ぜたら、悪くなっちゃうんじゃない? 冷蔵庫に入れて、なるべく早く使い切らないと」
リサ:「あら、そうなの~? そのままだとちょっと味が濃いかなと思って…。でも大丈夫。私達、本当によく使うから、きっとすぐに使い切っちゃうわ」