386 お水を飲んではいけません
先日、水道屋さんが水漏れの点検に来てくださった時のこと。
台所やお風呂場の水廻りを点検し終えて彼が言った一言は…
「このアパート、水道のお水は飲まない方がいいよ」
「ええっ! 何でですか?」
「ほら、あそこを見てご覧よ」
…と彼が指をさしたのは、壁に沿って張りめぐらされた水道管。
「ほら、あそこ。あれは鉛(なまり)で作られた水道管だよ」
鉛が人体に良くないことは聞いたことがありましたが、まさか自分達の身がそんな危険にさらされていたとは夢にも思っていませんでした。
彼曰く、パリの古い建物の中には、鉛の水道管を使ったところがまだあるのだとか。
しかし近年、鉛が人体に良くないことが社会問題になっているため、他の素材で作られた水道管に取り替える作業が進められているそうです。
ところが、目に見える部分の水道管なら比較的容易に交換することができても、壁の中などに埋められている水道管は大変なのだとか。
しかも、建物全体(アパート全体)の水道管の状況を確認したり、交換したりするとなると多くの時間やお金がかかるので、なかなか進まないのが現状なのだそうです。
彼の指摘を受け、私達は水道のお水を飲んだり、お料理に使ったりするのを止めました。
もちろん、あまり神経質にはなりたくないけれど、このアパートがどれだけの鉛の水道管を使っているのかや、その品質の良し悪しが判らないので、注意するにこしたことはないと思っています。
それにしても、このアパートに住んですでに2年以上が経つけれど、大丈夫かな…。