375 いつか旅立つ日のために アヴィニヨン編

先日のコラムにも記しました通り、今後、不定期ではありますが、いつの日か皆さまがフランスを旅される時に、是非訪ねていただきたい町や村、立ち寄っていただきたい場所やお店などを、ご紹介したいと思います。

私達2人がフランスを旅している時、「ああっ、きっと、日本にお住まいの皆さまも、こんな風景をご覧になりたいのだろうな…」とか、「こんな所で食事をしたり、ワインをお飲みになりたいのだろうな…」と思うことがあります。
さらには、「ああっ、いつの日か、私達2人が皆さまのお供をしながら、いろいろな所を案内して差し上げたいな…」とも。

そんな気持ちを少しでも具体化するために、「いつか旅立つ日のために」と題して、少しずつ、ご紹介していきたいと思います。

さて、その第1回は、南仏アヴィニヨン(Avignon)の街です。
僕は、大きな街よりも小さな町、そして、小さな町よりも小さな村が好きなのですが、今回ご紹介するアヴィニヨンは大好きな街。
また、アヴィニヨンの街の中でも、城壁に囲まれた旧市街地が大好きなのです。

「何があるの?」と聞かれたら、「えっ…」と言葉につまってしまいますが、迷路のように延びる細い路地をのんびりとお散歩したり、カフェが軒を連ねる市庁舎前の広場を眺めたりするのが楽しいのです。

また、「アヴィニヨンの橋で、踊ろよ、踊ろよ~」の歌で有名なサン ベネゼ橋(pont Saint Benezet)も、是非ご覧いただきたいと思います。
橋は途中で切れているし、また、歌にあるように「輪になって踊ろう~」なんてことはできそうにないほどに細いのですが、橋の上から眺めるアヴィニヨンの街並みや、対岸のヴィルヌーブ レ ザビニヨン(Villeneuve les Avignon)の町、そして、心地良く吹くローヌの川風が何とも言えず良いのです。

さらに、アヴィニヨンには、是非、訪れていただきたいレストランが2つあります。

1つめは、法王庁宮殿の隣りにあるレストラン、クリスティアン エティエンヌ(Christian Etienne)。

お値段は少々張りますが、でも、驚くほど高いわけでもありません。
いいえ、お店の雰囲気やそのお料理、ワインの品揃えやサービスなどを考えたら、とても素晴らしい、おすすめのお店です。
どうか緊張なさらず、旅の思い出に、是非お出かけになってみてください。

2つめは、ローヌ河の中洲にあるオーベルジュ(auberge:宿泊設備を備えたレストラン)、ラ トレイユ(La Treille)。

このお店は、アヴィニヨンの街中からは離れた、交通の便の悪い、分かりにくい場所にあります。
しかしそれ故に、とても静かに食事を楽しむことができます。
私達がお邪魔したのは8月だったのですが、屋外の木陰に20席ほどのテーブルが並べられ、ゆっくりと暮れゆく夏の陽射しの中で、ピアノの生演奏を聴きながらの夕ご飯でした。
もう~、このひと時は、「ああっ、生きてて良かった…」と思えるほどに素晴らしいものでした(ちょっと大袈裟?)。

皆さまが、いつか旅立つ日のために…。
それでは、また。次回もお楽しみに!

クリスティアン エティエンヌ(Christian Etienne)
ラ トレイユ(La Treille)