371 人生って?

フランスで自営業を営んでいる私達。
日本で会社員をしていた時よりも時間は自由になると思っていましたが、実際はその反対。
基本的に、起きている間は仕事をすることになり、きちんとしたお休みを取ることもままなりません。

しかし、そんな私達も、パリを離れてフランスの地方に出ている間は、本当にのびのびとすることができます。
そしてこれが、現在の私達にとっての休息時間。
しばしの間、仕事を忘れて、心ゆくまで楽しみます。

でも、楽しいはずの旅先でも、喧嘩をすることも…。
その多くは車で移動している時のこと。
僕がハンドルを握り、相方(水野)が助手席で地図を広げながら、右だ左だ、いや、北だ南だと、言い合うことになります。

中でも大変なのは、以下の2つのような場合。

  1. 大きな街の中の、ある地点に向かう場合
  2. 大きな街から、その周りにある小さな町や村に向かう場合

大きな街の中の、ある地点に向かう場合には、行きたい場所がそこにあるのは分かっていても、一方通行の道が複雑に入り組んでいて思うように走ることができなかったり、ようやくその地点にたどりついても車を停める所がなかったり…。
そうこうしているうちに、自分達がどこにいるのか分からなくなってしまうという場合です。

一方、大きな街から、その周りにある小さな町や村に向かう場合には、車を運転しながら道路標識を瞬時に読み取って、向かう方向を決めることが難しいのです。
道路標識には、遠く離れた大きな街の名前は示されていても、近くにある小さな町や村の名前は記されていないことが多いからです。
例えば、東京都内を車で走っていて、すぐ隣りの町に行きたいのに、道路標識には小田原とか静岡なんて示されている感じ…。

しかも、大きな街の中では、後ろからどんどん他の車が走って来て、「早く、早く!」と急きたてるので、ノロノロと走るわけにもいきません…。
見晴らしのいい、田舎道をのんびり走っている時や、小さくて可愛らしい村の中をクルクル回っている時には、決してそんなことにはならないのに…。

でも、車での移動に限らず、人間って往々にして、そうですよね。
自分の居場所が解らなくなった時や、これから進む方向を決められない時には、不安にもなるし、イライラもするし…。
しかも、現代の社会のように、何事も「早く! 早く!」と言われては…。

そういう意味でも、「人生って、旅だな~」なんて思う、今日この頃。
そしてまた、「やはり僕には、田舎道をのんびりと走る方が性に合ってるな~」とも…。