345 三者三様
ここ1~2週間、体調の悪い日が続き、いままでに大きな病気をしたことのなかった私が、珍しく病院のお世話になりました。
しかも今回は、異なる3つの病院の、3人の先生に診てもらうことに。
しかし、そこで出会った先生が、人当たりも、診察の雰囲気も、そしてまた見解までもが三者三様だったので、今日はその様子についてお話したいと思います。
1. 開業医のA先生
近所の開業医、A先生は、ちょっと太ったマダム。
診察を受けたところ私の血液検査の結果に問題があるらしく、先生が慌てているのが分かりました。
そして、すぐに2箇所の医療ラボ(検査所)で再検査を受けることや、数週間後に再々検査を受けることを指示されるとともに、飲み薬の処方箋を渡されました。
さらに…
「血液検査の結果が出たら、また来てください。ただし、私はもうすぐバカンスに入るから、今月中に他の先生を探して予約を取りなさい。あぁ、それから、あなたとは言葉の問題があるから(フランス語でのやり取りが大変だから)、正直、ストレスを感じているのよ」
…とのこと…。
私は少し、泣きそうになりました…。
検査の結果に問題があると言われただけでも不安なのに、知らない単語ばかりを並べられて説明も良く解らず、その上、先生からストレスを感じるなんて言われるなんて…。
「もう、ここへは2度と来ない…」と思いました。
なお、A先生は個人の開業医なので診察料が高く、1回65ユーロ(約8,500円)を支払いました。
2. 私立病院のB先生
開業医のA先生に診てもらった日の午後、フランス人の友人が薦めてくれた私立病院に、予約なしで行ってみました。
そして、受付で泣きそうな顔でお願いしたら、ほどなく緊急診療をしてもらえることに。
診てくださったB先生はアフリカ系の陽気なマダム。
また、ゆっくりと解り易いフランス語で話してくださったり、紙に絵を描きながら、検査の結果を説明してくださいました。
さらに私の質問にも、丁寧に答えてくださったのです。
なお、開業医のA先生から渡された処方箋を見せると、処方の内容は間違ってはいないとのこと。
「薬はすぐ買って、今日から飲みなさい。また今日は緊急診療だから、受付で来週の予約を取ってから帰ってね」
私はB先生の話を伺って、だいぶ気が楽になりました。
しかし、診察後に受付に行ったら、来週の予約は取れないとのこと。
「一時も早く、信頼できる先生を探さなくちゃ」という焦りも生まれました。
なにしろフランスはバカンスの時期。
病院の先生や医療ラボ(検査所)と言えども、例外ではないのです(皆んな本当に休んじゃう!)。
なお、この病院は私立病院ではあるけれど、診察料などは公立病院と同じとのこと。
緊急診療であり、かつ十分な時間もとってもらったのである程度の出費を覚悟しましたが、払ったお金は約6ユーロ(約780円)。
3. 市民病院のC先生
翌日、近所にある市民病院に電話をしてみました。
すると、「電話では良くわからないから直接来るように」と言われ、今までの検査結果を持って出かけました。
受付で私が知っている単語を並べて説明をしていると、話の分かる人が出て来てくださり、翌日のC先生の診察を予約することができました。
C先生は非常に冷静な感じの、若い男性。
なお、診察には先生の他に助手が1人、研修医が2人も立ち会って、ちょっとした会議のような雰囲気です。
「飲んでいる薬は1度の検査結果で処方するには、少し強過ぎるかもしれませんね。それに同じ日に2箇所のラボで検査をするのもやり過ぎでしょう。99%は問題ないですから、あまり心配し過ぎないように。念のため、数日後にもう一度検査をして、結果が良ければ薬は止めましょう」
…と、A先生やB先生とも異なる見解。
だいぶ気持ちは楽になったものの、しかし、C先生の見解が正しいとも限らないので、一抹の不安が残ります…。
また、なぜかお金はまったく請求されませんでした(後から請求が来るのかな?)。
なお、検査の結果については私があれこれ考えても仕方がないし、また、精神的にも良くないので、今は考えないようにしています。
それにしても、言葉や習慣の異なるフランスで初めて病院に行き、しかも3人の先生に診ていただくことで、とても勉強になりました。
また、お医者さんと言えども人間だから、本当に難しいな~とも…。