344 郷に入っても従わない!
パリに暮らしていて、ちょっと気になることがあります…。
それは、人の話が終わらぬうちに、他の人が話し始めることが多いということ。
この春のフランス大統領選の時にはテレビ番組でさまざまな討論会が行われていましたが、番組に登場していた政治家やジャーナリスト、一般市民の人たちまでもが、その場にいる誰かの話が終わらぬうちに、反論や新たな意見を話し始めるという光景をよく目にしました。
また、街角で立ち話をしているご婦人達の中にも、人がまだ話しているうちに話始める人がいたり、場合によっては、2人の人が向き合って同時に話していたりと、はたから見たら口論でもしているみたい…。
パリにお住まいの女優、中山 美穂さんが、日本の雑誌に書いていらした文章の中にも、こんな件(くだり)がありました。
「お母さん同士が集まるとそれはそれはパワフルな団体。…中略…最後の言葉を言い終わらないうちに、シンクロして誰かが口を挟む。そのうち、それぞれが同時に話し出すと言う光景もよくみかけます」
このことは、日本とフランスとの文化(?)の違いなのか、言葉の構造の違いによるものなのかは分かりませんが、日本人の僕には、相容れないことの1つです。
確かに、「郷に入っては郷に従う」ということわざもありますが、このことだけは、フランス流(?)に乗じたいとは思いません。
もっとも、いまの僕のフランス語の力では、他人が話し終わらないうちに自分の話を始めるなんてことはできないし、また、チンプンカンプンなことを言っている僕の話には、皆、最後まで耳を傾けてくださいますので、その心配はないんですけど…。