324 シンプルなのもいいけれど…
当店では、お客様からご注文をいただく際、お客様のご住所やご連絡先を日本語で入力していただいています。
しかし、フランスから日本にお品物をお送りする際の通関手続きには英語かフランス語での表記が必要なので、それを書き換える(パソコンに手で再入力する!)のが私の仕事…。
しかも、漢字で書かれた日本の町名には読み方が難しいところも多いので、1つ1つ調べていると、結構時間もかかります。
さらに、2-35-5-301などのように番地が長く、その上、マンションの名前などが続いたら、パソコンの入力欄が足りなくなることも…。
一方、フランスの住所はこんな感じ…。
11 rue Castex … 番地と通りの名前(キャステックス通り11番地)
75004 … 郵便番号(パリ4区)
Paris … 市町村名(パリ)
…と、これ以上省略することができないほどにシンプルです。
ところが、その実態は…。
パリの街中にある住居の多くはアパート。
そのため、上記のような住所にある建物の扉を開くと、その中にはたくさんの世帯が入居していて、すべての世帯が同じ住所(!)ということになります。
現在、私が住んでいるアパートも同様で、1つの番地で通りに面した扉も1つ。
しかし、扉を開けて敷地の中に入るとA棟、B棟、C棟の3つの建物があり、それぞれに数十世帯が住んでいます。
そのため、1日に1つの番地に届く郵便物も、相当な数に…。
ところによっては各世帯用の郵便ポストがないアパートもあるので、その番地に宛てられたすべての郵便物を仕分けして、各世帯の玄関まで届けてくださるのが、アパートの管理人さんです。
日本式の細かい住所とフランス式のシンプル(大雑把?)な住所。
どちらが良いとは言わないけれど、日本の郵便物が早く正確に届くのに対して、フランスの郵便物はその2~3割が届かないなんていうウワサもあるくらいですから、このシンプルさには限界があるのかも…。