302 詩を楽しむ

フランス語の学校で、ジャック プレヴェール(Jacques PREVERT)という詩人について習いました。

プレヴェールを広辞苑で調べてみると、以下の様に記されています…

【ジャック プレヴェール】
フランスの詩人。鋭い諷刺と生き生きとした生活観とを軽妙な言葉の動きに盛った。「パロール」などの詩集のほか、映画「天井桟敷の人々」の脚本、シャンソン「枯葉」など。(1900~1977)

授業で取り扱ったのはプレヴェールの経歴と主な作品、そして詩集「Parole(パロール)」の中の「Dejeuner de matin(デジュネ デュ マタン)」という詩でした。

その詩は、とても短いフレーズで綴られています。

Il a mis le cafe
Dans la tasse
(彼はカップにコーヒーを注いだ)

Il a mis le lait
Dans la tasse de cafe
(彼はコーヒーのカップにミルクを入れた)

詩は続きます。

その後、彼はカフェ オ レを飲み、タバコをふかし、帽子をかぶり、私に話しかけることも、私を見ることもなく、レインコートをはおり、雨の中、出かけた。そして私は頭を抱え、泣いた。

この詩を読み終わった後、何とも言えない感情が湧き起こりました。
うまく説明することはできませんが、詩を読んだその余韻がしばらく続いたのです。

そして、フランス語の詩を読んで感動している自分にもちょっと感動…。

私が子供の頃、国語の授業で谷川 俊太郎や宮沢 賢治の詩を読んだように、フランスの子供達も学校でプレヴェールの詩を読んでいるのかも知れません。

皆さまも、プレヴェールの詩集を、お手にとってご覧ください。
フランス語を勉強なさっている方には、特にお薦めです。

日本語版はアニメーション映画の監督、高畑勲さんが「パロール」を翻訳した「ことばたち」として出版されているそうです。