278 オシャレな街の○○な自転車

フランス、パリといえばオシャレな街。
洗練されたものがいっぱい…とお思いの方も多いのではないでしょうか。
もちろん、私もその1人(でした?)。

ところで、東京にいた頃、自転車を買おうと思って、あれこれ考えていました。
そしてそんな時、フランスの自動車メーカー プジョー(Peugeot)の自転車があることを知りました。
早速お店に出かけてみると、並んでいたのは本当にオシャレな自転車ばかり。
色といい、形といい、「さすがフランス! 自転車も洗練されてるな~」と思ったものでした。

そして、店員さん曰く…

「もっとカッコイイのがありますよ。限定生産の珍しいモデル。持って来ましょう」

お店の奥から出て来たのは、小さな折りたたみ式の自転車。
可愛らしい大きさと、トリコロールカラー(フランス国旗の色)に塗られた車体がとってもオシャレ!
迷わずこれを2台買い、相方(水野)とお揃いで乗ることにしました。

そして、あれから数年…。
パリに来て、街ゆく自転車を見てみると、何だか様子が違います…。
パリの人たちが乗っている自転車は、日本の新聞屋さんが配達に使っているようなガッシリしたものか、僕が子供の頃に見たような古めかし~い自転車ばかり…。
そのうえ、お世辞にもきれいとは言えません…。

さらに、街中の自転車屋さんを覘いてビックリ!
店先に並んでいるのは中古の自転車です。
もちろん、手入れはされているのでしょうが、どれも結構使い込まれた感じ…。

極めつけは、蚤の市に並んでいる自転車。
あちらこちらが錆びていたり、革製のサドルが朽ちていたりと、すごい状態…。
しかし、それを買ってきて…

「ねっ、これ、いいだろう? 安かったんだ。直して乗ろうと思って!」

…と嬉々としていたのが、以前に住んでいたアパートの大家さん、フィリップさん。

東京の自転車屋さんに並んでいた、あのオシャレな自転車は、一体、どこへ行ってしまったのでしょうか…?