277 う~ん、○○の香り…

ワインにお詳しい方が、その香りを表現なさる時…

「う~ん、このワインは○○の香りがする」

…なんておっしゃることがあります。

いままでは、そんなお話を伺うたびに、「う~ん、そう言われれば確かに…」なんて思っていました。
しかしその反面、「その表現はどこから来るの?」とも思っていたのです。

ところが、世の中には、ワインを香りを表現するためのお手本があるのですね!?
先日、パリで有名なお料理学校に通う生徒さんから、ワインの授業で配られたという、香りの一覧表を見せてもらいました。
それによると、香りは大きく3つに分かれます。

1つめは、植物の香り。

アスパラガスやミント、オリーブ、マッシュルームなど、全部で16種類の香りが挙げられていました。
変わったものでは、オークの木やタバコなんていう香りも。

2つめは、お花の香り。

バラやアカシア、アイリス、ユリなど、香りは全部で15種類。
中にはハチミツなんていうのも含まれていたけれど、これは花なのか…。

3つめは、果物の香り。

アプリコットやパイナップル、バナナ、さくらんぼ、レモン、いちぢくなど、全部で26種類。
八百屋さんの店先を連想させるような種類の多さです。
中にはマンダリンオレンジやマンゴー、ライチー、マルメロ(カリンに似た果物)なんていう香りも。
そして、1番最後にはraisin(ぶどう)と記されており、「えっ!?、だって、もともとぶどう…」という気も…。

しかし、味覚や嗅覚など人間の五感は人それぞれに異なるものだと思うので、お手本にとらわれることなく、感じたままに表現したら、もっと楽しいお酒になるかも知れません。

僕だったら、どんなふうに表現しようかな…。
「夏の朝の匂い」とか、「雨に濡れた森の香り」とか、「パリ リュクサンブール公園の落ち葉」とか…。