246 音楽の日を楽しむ
パリは今、1年で1番心地良い季節を迎えています。
日本よりも一足早く、夏を迎えたのです。
この時期、日の出の時刻は朝6時前。
また、日の入りの時刻は午後10時頃です。
そのため、空が暗くなるのは夜10時半を過ぎてから。
パリの夏の朝は、日本の夏の朝によく似ています。
清々しい空気の中を歩いていると、子供の頃、夏休みにラジオ体操に通ったことを思い出します。
一方、夕方は、日本では経験したことのない感覚に包まれます。
とにかく、夕方の時間がとても長いのです。
別な言い方をすれば、お昼を過ぎると時の流れがとてもゆっくりになるような感じとでも申しましょうか。
そのため、夕方に人とお会いしてお酒を飲む時など、午後の明るいうちから飲み初め、そして飲んでも飲んでも夕方にはならず、飲み過ぎて目が廻る頃に、ようやく日が暮れる感じ…。
またフランスでは、夏至の日は、音楽の日(Fete de la Musique:フェット ド ラ ミュージック)。
1年で1番昼間の長い日を、音楽とともにお祝いする日です。
この日は休日ではないけれど、午後になると街中がそわそわしだします。
そして夕方には、路上や広場、カフェやレストランなど、街中の至るところでさまざまな音楽が演奏され、皆、歌ったり踊ったり、飲んだり食べたりして楽しみます。
暗く、寒く、そして長いフランスの冬を耐えてきた来たパリの人々にとって、音楽の日は太陽のありがたさを実感する最高潮の日なのです。
皆さまも、パリにご旅行でいらっしゃることがございましたら、6月の下旬にお出かけになってみてはいかがでしょうか。
そして、是非、パリの人々と一緒に、音楽の日を楽しんでいただきたいと思います。
また、前回のコラムに記した女性のように、パリの街をたくさん歩いていただきたいとも思います。
お気に入りのスニーカーを買って、それを履いてパリの街を歩く…。
そして、そのスニーカーが、パリの想い出となり、お土産にもなるような、そんな旅です。