219 日の当たる場所

気持ちよく晴れた日曜の昼、近所にある小さな広場を通りかかった時のこと。
思わず、目を丸くするような光景が飛び込んで来ました。

この広場は、ほぼ正方形。
中央に小さな噴水がある他は特に変わったものもない、普通の広場です。
そして、その広場を取り囲むように、いくつかのカフェが並んでいます。

私がこの広場を通りかかったのは午前11時半頃のこと。
日曜日の今日、お天気も良く、また近くでマルシェ(朝市)が開かれていることもあり、なかなかの賑わいでした。

広場の北側に位置し、南向きにお店を構えるカフェのテラスを何気なく見ると、そこはお客さんで満員の状態。
皆、日の当たるテーブル席に陣取って、気持ち良さそうに新聞や本を読んだり、家族や友人と会話を楽しんだりしています。

ところが…、次の瞬間。
そのお店の向かい側、広場の南側に位置し、北向きにお店を構えるカフェのテラスに目を移すと、そこには1人のお客さんの姿もなかったのです…。

これはもう、100と0の差。
同じ広場でカフェを営んでいるにも関わらず、片方は満席、もう片方は空席だらけ…。
パリのカフェとは、お店の日当たり次第でこんなにも違うものかと驚くとともに、パリの人たちが太陽の光をいかに恋しく思っているのかを、あらためて感じました。

皆さまもパリにいらした時、カフェのテラス席を陣取るパリジャン、パリジェンヌの姿をご覧になってみてください。
日本人の私達にとっては「みんな、寒くないのかな…?」と思えるような季節でも、そこに太陽の光さえ当たっていれば、彼らにとっては特等席のようです。