199 この冬、フランス風に温まる
冬の寒さも本格的になってきた今日この頃。
寒い時に温かいものを食べたくなるのは、日本もフランスも同じです。
この時期、フランスの食卓に並ぶ温ったか料理の1つにチーズ料理があります。
代表的なものは、ラクレット(raclette)とフォンデュ オ フロマージュ(fondue au fromage)。
ラクレットとは、8cmくらいの鉄でできた小さな三角のシャベルのような形のものの上にエモンタル(Emmental)やコンテ(Comte)などのチーズを乗せ、専用の器具で溶かして、生ハムやじゃがいもと一緒に食べる料理。
一方、フォンデュ オ フロマージュとは、いわゆるチーズ フォンデュのこと。
鍋にエモンタルやコンテと一緒に白ワインを入れて溶かし、パンを四角く切ったものを串に刺し、チーズをすくって食べる料理です。
そしてもう1つ、この時期限定のチーズ料理をご紹介いたしましょう。
それはモン ドール(Mont d'or)というチーズを使ったもの。
またの名をヴァシュラン(Vacherin)というチーズです。
もみの木の樹皮で包まれたそのチーズは、カマンベール(Camembert)よりも少し高さのある直径15cm程の丸い木箱に入っていて、10月頃から翌年の春頃までしかお目見えしない冬期限定もの。
調理方法は、オーブンで10~15分程温めて、チーズが少しグツグツと言い出したら食べ頃。
温めるとかなり強い匂いがするのですが、チーズ自体はトロリとしていてクリーミー。
私は強いチーズが苦手なので、上のオレンジ色のカビの部分はチーズ好きの人に譲り、柔らかい部分をスプーンですくってじゃがいもなどと一緒に食べます。
一度食べると病み付きになり、この時期には何度も食べたくなります。
フランス南東部、グルノーブル(Grenoble)出身の友達曰く、冷たいままスプーンですくって食べたりもするとのこと。
まだ試したことはないけれど、こっちの食べ方も美味しいに違いありません。
まだまだ寒さの続くこの季節、たまにはチーズ料理でフランス風に温まってみてはいかがでしょうか。