189 森からの贈り物

クリスマスのイルミネーションや店先のデコレーションも12月に入り、本格的になってきたパリの街中。
そうなると、いよいよみんな「そろそろ家にもクリスマスの飾り付けをしなくては…」と、飾り付けを始めます。
フランス人のクリスマスの飾り付けといえば、大型スーパーやガーデニングなどのお店の店先で、サパン ド ノエル(sapin de Noel:クリスマス ツリー)や、クリスマスの飾りを買う人がほとんど。

そんなある日、クリスマス リース作りのクラスがテレビのニュースで紹介されていました。
そのクラスは、森で拾って来た小枝や枯れ葉を材料に、自分たちでリースを作るというもの。
「これは、いいアイデア!」と、ノルマンディの森へ材料の調達に行くことにしました。
あいにく、先週末のフランス北部は大雪。
パリからノルマンディに着くと、白とグレーのグラデーションが、空から畑から森から家まで、ありとあらゆるものをスッポリ隠して、モノトーンの世界に仕立て上げていました。
厚手のセーターを何枚も着込んで、コートを羽織って森の中へ。
落ちているお目当てのもみの木の枝や枯れ葉などをかごの中に入れれば入れるほど、頭の中にはリースの出来上がりイメージ像が膨らみます。

地面を見ながら歩いていると、突然一緒に散歩している彼の「見て!」という声が。
顔をあげてみると、10mくらい先に、大きな角のある2匹の親鹿と3匹の子鹿が現れたのです。
雪の積もった森をゆったりと歩く鹿の親子は、なんとも言えないくらい優雅でした。

たくさんの森からの贈り物を持って、その後、自宅でリース作り。
もみの枝の香りを嗅ぎながら、ベースにする円形に編まれた藁に、もみの枝をさしていきます。
もみのリースができあがると、近所で買ったリボンやボタン、雪の結晶のチャームで仕上げてみました。

クリスマス リースのおかげで、今年はいつもよりも少し得した気分です。
皆さまも、クリスマスのデコレーションを手作りしてみては? いいことがあるかも!