167 一雨ごとに…
部屋の窓から幾重にも重なって見える家々の屋根に、9月の雨が静かに降っています。
また、ところどころに見える煙突からは、灰色とも薄茶色とも言えないような暖炉の煙が立ち登っています。
昨日までは夏が戻って来たかのように日差しの強い日が続いていたのですが、一夜明けた今日、外の景色はすっかり秋のそれになっていました。
お昼を少し回った時間である今、ボサノバの名曲集を聞きながら窓の外をぼんやりと眺めています。
まるで「夏は終わり。今日からは秋です!」とでも宣言されたような、そんな雰囲気が漂う今日のパリ…。
そして明日からは、日一日と秋が深まって行くのでしょう。
でも、パリには秋が良く似合うと、僕は思います。
落ち葉をザクザクと踏みながら散歩をしたり、カフェのテラスでゆっくりとコーヒーを飲んだり、秋空にすっくと立つエッフェル塔を眺めたりするのが、パリらしいと思うのです。
そしてまた、マフラーを首に巻いた瞬間の、あの毛糸の匂いも…。