162 この街の魅力の1つ

朝早く、近くの大通りを歩いていた時のこと。
前方から30歳位の男性と女性がそれぞれ自転車に乗って、2人並んで(2台並んで)走って来ました。
しかも、お互いに手を繋ぎながら(片手運転で)、ニコニコと嬉しそうに…。

2人のうち、どちらから「手を繋いで走ろうか?」なんて言い出したのかは分かりませんが、そんなことが本当に出来るなんて、何だか羨ましく思いました。
そして、走り去る彼らの後ろ姿は、まるで映画のワンシーンのよう…。
とても微笑ましく、爽やかだったのです。

また一昨日、近所にある花屋さんの前でのこと…。
30代の半ばと思しき1人の女性が、自転車にまたがって走り出そうとしていました。
彼女はその花屋さんでお花を買ったのでしょう、背負っていた布製のリュックサックから、1本の大きなヒマワリが空に向かって長~く伸びていたのです。

そして彼女は、ペダルを力強く漕ぎ始めるとともに、口笛を吹き始めたのでした。
彼女の嬉しそうな、また、どこか得意げな表情を見ていたら、なぜだか私も嬉しくなってしまいました。

パリに生きる人たちを見ていると「個として確立しているな~(1人の人として、しっかりと地に足が着いてるな~)」と思うことが多いのですが、その反面、まるで子供のような一面を垣間見た時には、とっても微笑ましく、そしてなぜだか嬉しく思えてしまうのです。

自分らしいスタイルで生きることが出来る街、パリ。
これがこの街の魅力の1つなのだと、最近思うようになりました。