140 ある日、郵便局のロビーで
私達が住むアパルトマンの向かいにある郵便局のロビーには、子供達が描いた絵が展示されています。
どれも色とりどりに描かれた、伸びやかなものばかり。
先日、お客様にお送りするためのお荷物を出しに、郵便局の窓口の長~い列に並んでいた時のこと、若い女性の先生につれられた子供達約20人が、ぞろぞろと入って来ました。
日本の小学生に例えたら、1、2年生くらいだと思います。
恐らく、学校の課外授業なのでしょう。
ロビーに貼り出されたたくさんの絵を、皆で見に来た様です。
最初のうちは皆が絵の前に立ち、先生のお話を聞きながら鑑賞していたのですが、立ったままだと掲示板の下の方に貼られている絵が良く見えない子もいるのでしょう、先生の号令とともに子供達が一斉にロビーに腰を下ろしました。
しかし、ロビーと言えば聞いたところは良いのですが、要は屋外と同じ。
郵便局に出入りするたくさんの人達が土足で歩く床ですから、あまりきれいとは言えないのです。
それでも、子供達は何の抵抗もなく、床にペタンと腰を下ろし、正座をしたり足を横に投げ出したりしながら、熱心に絵を見ています。
そして、横に長い掲示板の絵を端から順に見ていくために、先生の号令に従って、皆が少しずつ、少しずつ横に移動して行くのです。
その時、子鴨のような格好でしゃがんだままヨチヨチ歩きで移動する子もいれば、床におしりを着いたままボートを漕ぐようにして滑っていく子がいたり、2人で手をつないだまま動きにくそうに移動する子供達もいたりします。
もう~、その様子が可愛くって、可愛くって。
郵便局の窓口に並んでいた大人達は、子供達のその様子を見て、ニコニコと和やかな雰囲気になりました。