127 そこに窓が欲しいから

フランス人の中には、お家やお部屋に関することを、自分の手でやってしまう人が多いのだとか。

これは、専門の会社や人にお願いしたら、その費用が高いから…ということもあるのでしょうが、それ以前に、自分でやることが当たり前になっている様です。

例えば、ドアや窓が壊れた時の修理や、鍵の付け替えなどは勿論のこと、ちょっとした水回りの修理や電気のことまで…。

先日も、ある仕入先にお邪魔した時のこと、ご主人と奥様が揃ってお店の壁のペンキ塗りをなさっていました。

「ご自分でなさるのですか!?」

…と驚く僕に対して…

「当たり前よ!」

…という表情で、スポンジに染みこませたペンキをペタペタと壁に塗って見せてくださいました。

また、聞くところによると、お家やアパルトマンの持ち主(家主)さんはもちろんのこと、そのお家やお部屋を借りている人までもが、お部屋の中の壁の色を塗り替えたり、壁を壊して間取りを変えたり(!)するのだとか。

そして、先日、実際に目にした光景でもっとも驚いたのは、ゴンッ! ゴンッ! バラバラ…という大きな音とともに、目の前の建物の壁にポッカリと穴が開き、中から人の手や顔が出てきたこと!

何と、建物の壁を打ち抜いて、そこに窓を作っていたのでした!
分厚く、硬い壁に穴を開けてしまうなんて、もう、その熱意には脱帽です。

その彼は、絶対、そこに窓が欲しかったのでしょうね…。