112 出会いを楽しむ

フランス パリに住んで1年。

この間に、たくさんのフランスワインを飲みました。
ちょっと高価なワインから、安くて手頃なワインまで、かなりの数になります。

そして最近、ワインを飲むたびに、「ワインは人との出会いに似ているな~」と思うようになりました。

初めての人と出会った時、挨拶を交わして握手をするとともに、相手のお顔や着ているものを見ます。

そして、少しずつ言葉を交わし、だんだんと相手のことが分かってきます。

その結果、「あぁ、この人とは話が合うな~」とか、「何だか趣味が合わないな…」なんて思ったりするわけです。

しかし、だからと言って、その人のすべてが解るわけではありません。

生まれた国や生活習慣などが違えば、微妙なニュアンスを汲むことが出来ないことも多々あります。

さらに、その人と出会った時の自分の体調や心情、場所、同席していた人などによって、受ける印象も異なってきます。

そう考えると、日本人の僕がフランスワインを楽しむということは、見知らぬ土地で生まれ育った外国人と出会うようなもの…。

出身地(産地)や年齢(生産年)、見た目(ラベル)などに囚われることなく、これからも、さまざまな人(ワイン)に出会ってみたいと思います。
またその時には、その人(ワイン)が語りかけてくる言葉を、よくよく聴きたいとも思います。

さて、今宵はどんな出会いがあるのでしょうか…。

生涯の友に出会うことができるかも知れませんし、また、美しい人に出会って心を奪われてしまうかも知れません。
あぁ、楽しみです…。