074 蚤の市の秋
食欲の秋、芸術の秋、スポーツの秋など、日本にはいろいろな秋がありますが、ここパリにもありました。
それは、蚤の市の秋。
パリと言えばクリニャンクールやヴァンヴの蚤の市が有名ですが、10月に入って以降、パリの街のあちらこちらで単発的に開かれる蚤の市が多くなってきました。
これらの蚤の市、正確にはヴィド グルニエ(vide greniers)と呼ばれるもの。
地区ごとに、路上などで行われる、フリーマーケットのような催し物です。
ちなみに、videとはフランス語で空っぽという意味、また、greniersとは屋根裏部屋のこと。
文字通り、屋根裏部屋に眠っている不用品を出して、空っぽにするという意味です。
なお、私達はここ1か月の間に3箇所ほどヴィド グルニエを覘いてみましたが、クリニャンクールやヴァンヴの蚤の市とは、楽しみ方が異なるように思いました。
それは、売る方も、買う方も、家族で楽しむということ。
中には、小学生くらいの子供が、不用になった自分のおもちゃを持ってきて、お店に並べている姿を見かけました。
そうなると、当然、お客さんも同年代の子供達。
気になるおもちゃを手に取ったり、値段の交渉をしたりしている様子は、何とも可愛らしいもの。
傍らで見守っている大人達も、ニコニコしながら彼らのやり取りを楽しんでいます。
そして売る方、買う方の折り合いが付けば、お財布からお小遣いを取り出して、宝物を買います。
クリニャンクールやヴァンヴの蚤の市では掘り出し物を探して目の色を変えていた大人たちも、ここでは終始和やかな雰囲気でした。