055 プラスチックバッグいります?
パリの街中にある問屋さんで、商品の仕入れを行った時のこと。
お支払を済ませ、さて帰ろうかという時に、お店の方に聞かれました。
「プラスチックバッグ、いりますか?」
…と。
私達が…
「はい、お願いします」
…と答えると、店員さんがカウンターの下から取り出したのは、真っ黒で大きなビニール袋。
日本では、ゴミ袋として使われている、あれです。
その中に、たったいま支払を済ませたばかりの品物を次々と入れ、最後はガムテープでグルグルっと縛って、持ち手まで作ってくださいました。
私達が目を丸くしていると、店員さんは…
「ヴォアラ(Voila:はいよ)!」
…と得意げな表情。
我ながら上出来という感じなのでしょう。
しかし、私達が驚いているのはその出来栄えの良さにではなく…
「こっ、これがプラスチックバッグなの…(これ、ゴミ袋ですよね)?」
…ということ。
その袋(いや、バッグ)を持って問屋街を歩いて往くと、同じようなバッグを持った方々とすれ違いました。
もちろん、以前にもこのような光景を目にしたことはあったのですが、中身はゴミだとばかり思っていたのです。
自宅に戻り、「ビニール袋」という言葉をフランス語の辞書で引いてみたら、確かに「sac en plastique」と記されていました…。
まだまだビックリすることの絶えない、フランス パリなのです…。