015 ヴァン ド テール
「大地の風」という名のバッグがあります。
奥様であり、3人の子供のお母さんでもあるアン エレン ガローゲルミッシュ(Anne H. GARREAU GALMISCH)さんが、自分自身や家族のためにバッグを作ったことからスタートしたブランドです。
まだ、フランスの大地を吹き始めたばかりの「そよぐ風」かも知れませんが、その風の中には、2本足で大地にしっかりと立つ、母親の優しさのようなものを感じることが出来るのです。
ヴァン ド テールのコレクションの一部。
アルザスや南フランスの厳選された革のみを使っています。
【歴史】
「ある時、新しいバッグが欲しいと思ったのだけれど、なかなか気に入ったものが見つからなかったの。そこで、自分で作ってみようと思ったの。それが始まり」と、アンさんは当たり前のことの様におっしゃいました。
そして、靴屋さんを営むお友達に革について教わりながら、自分のためにバッグを作ったのだそうです。
さらにその後、家族のために2つ、3つとバッグを作るうちに、長い間続けて来た映画の製作に関わるお仕事から、バッグの作家さんへと転身していったのだそうです。
アンさんの仕事場。
日常生活の中で得たさまざまなヒントを、ここでまとめます。
とても素敵な作業机。
【店舗】
アンさんは、パリ郊外にあるご自宅のアトリエでバッグのデザインや製作を行っています。
日当たりの良さそうな大きな窓のそばに置かれた机が彼女の仕事場。
その傍らには愛犬のMo(モ)がいつも寄り添っています。
なお、ご自身のお店を持たないアンさんは、各地で開催される展示会などに作品を出展し、その機会にお客様からの注文を受けているのだそうです。
フルールドクールがアンさんのバッグに出会ったのは、さまざまなデザイナーのアトリエやブティックが並ぶ、パリのヴィアデュック デ ザール(Viaduc des Arts)。
初めて彼女のバッグを目にした時、「これは日本の皆さまにもご紹介しなくては!」と感じるものがあったのです。
そしてその翌日には、アンさんの自宅にお邪魔していたのでした。
アンさんと愛犬のMo。
いつも一緒。
作業机。
【商品】
「大地の風」と名づけられた彼女のバッグは約20モデル。
その1つ1つに、家族や親友の名前が付けられています。
そしてそのすべての作品が、日常生活の中での必要性に基づいて生まれて来たのだとか。
「基本は、長く使えること。だから、自然とデザインはシンプルに、また、素材は丈夫なものになるの」とおっしゃるアンさん。
そのためか、彼女の作品はどれも素朴な感じ。
なお、黒や茶のフルスキンはフランスのアルザス地方のものを、また、ヌバッグの革は南フランスのものを使うことに決めているのだそうです。
まだ、フランスの大地を吹き始めたばかりの穏やかな風ですが、この「大地の風」が日本の皆さまにも届きますように…。
バッグに用いる革あれこれ。
微妙な色合いにも気を使います。
アンさんが1番気に入っているというバッグ、フランボワーズ。