038 クリスマスには生牡蠣を
こんにちは、フルールドクールの阿部桂太郎でございます。
皆さま、いかがお過ごしでしょうか。
さて、突然ですが、皆さまに質問です。
皆さまは、昨年末のクリスマスに、何をお召し上がりになりましたでしょうか。
もちろん、クリスマスケーキを召し上がった方は多いと思いますが、その他に、どんなお料理を召し上がりましたか。
ここパリでは、鳥の丸焼きやフォアグラなどを食べますが、その中で、最もクリスマスらしい食べ物の1つに牡蠣があります。
もっと正確に言えば、殻つきの生牡蠣です。
我が家でも、クリスマスイブに、殻つきの生牡蠣を楽しみました。
昨年の12月24日、イブの日の夕方に家族揃って近所の魚屋さんに生牡蠣を買いに出かけたのですが、お店の前には木箱に入ったたくさんの牡蠣が並べられ、また、それを買い求めるお客さん達でとても賑わっていました。
そして、お店のおじさんに生牡蠣をくださいと伝えるとともに、殻を剥いてくださるようにお願いしところ、「悪いけど、今日は忙しいから剥いてあげられない」とおっしゃるのです。
僕としては、ササッと殻を剥いてもらって、それを自宅に持って帰って食べるつもりだったのですが、今日は殻を剥く時間はないとのことでした。
仕方なく、近くにある他の魚屋さんにも訪ねてみましたが、こちらも同じお返事でした。
それどころか、お店の奥に山と積まれた牡蠣を指差して、「ほら、見てくださいよ。今日は予約のお客さんの分だけで、これだけ殻を剥かなきゃならないんですよ」とおっしゃいました。
またその牡蠣の脇では、2人の店員さんが、もくもくと殻を剥いていらっしゃいました。
仕方なく、殻つきのままの生牡蠣を買って帰ることにしたのですが、その代わりに、殻の剥き方を見せてくださいとお願いしてみました。
すると、お店の奥の、2人の店員さんの脇に通されて、殻剥きの手ほどきを受けることができたのです。
「いいかい、牡蠣は左手にこう持って、包丁の先を殻のここに差し込むんだ。そして、包丁の先が入ったら、包丁は動かさずに左手の手首をこんなふうに動かすんだよ」と、教えてくださいました。
殻の剥き方を教わった僕は急いで自宅に戻り、魚屋さんに教えてもらった通りにやってみました。
すると、面白いように殻が剥けるのです。
そして、殻を剥いているうちにどんどん楽しくなり、さらには、もっときれいに剥きたいと思うようにもなりました。
なお日本では、クリスマス イブに魚屋さんが大忙しになったり、殻つきの生牡蠣が飛ぶように売れたりすることはないかも知れませんが、このラジオをお聞きの方で、次はフランス風にクリスマスの食事を楽しんでみたいとお思いの方は、是非、殻つきの生牡蠣をお召し上がりください。
以上、今日は、パリのクリスマスの食べ物、生牡蠣について少しだけお話をいたしました。