027 パリの国鉄駅

こんにちは、フルールドクールの阿部桂太郎でございます。
皆さま、いかがお過ごしでしょうか。

さて今日は、パリにあるフランス国鉄(SNCF)の駅についてお話をしたいと思います。

日本では国鉄がなくなり、現在はJRになっていますが、フランスにはSNCFと呼ばれる国鉄が現在もあります。

ところで、パリと言えばフランスの首都ですが、皆さまはここパリに、いくつの国鉄駅があると思われますか。
答えは7つです。

意外に少ないとお感じになった方もいらっしゃるかも知れませんね。
パリの街にはこの7つの国鉄駅が点在していて、パリからフランスの各地方に向けて、放射状に線路が延びています。
そして人々は、向う地方や方向によってこの駅を使い分け、旅に出ます。

例えば、パリで最も古いと言われるサン ラザール駅は、パリから北西の方向、ノルマンディーと呼ばれる地方に向けて出かける際に利用する駅です。

また北駅は、文字通りパリから北の方向、ノールピカルディーと呼ばれる地方に向けて線路が延びています。
さらには、ベルギーやオランダ、イギリスのロンドンへと向う列車も、この北駅から出ています。

3つめは、東駅。

ここも文字通り、パリから東へ向けて出かける際に利用する駅です。
シャンパンで有名なシャンパーニュ地方や、その先のアルザス地方、さらには、スイスやオーストリアに向う列車も、東駅から出発します。

4つめは、リヨン駅。

リヨンとはフランス中南部にある、フランスで2番目に大きな街の名前ですが、そのリヨンの街のあるローヌアルプス地方や、その先、プロヴァンス地方やコートダジュール(Cote d'Azur)など、地中海方面へと向う列車が出発しているのが、このリヨン駅です。

5つめは、オステルリッツ駅。

フランス中部や南西部へと向う列車や、遠く、スペインやポルトガルへと向う列車が出発する駅です。

6つめは、モンパルナス駅。

パリの西、古いお城が点在することで有名なロワール地方や、大西洋に臨むブルターニュ地方へと向う列車が出発します。

7つめは、パリのベルシーと呼ばれる地区にあるベルシー駅。

ここはまだ、僕は1度も行ったことがなく、また、どこに向う列車が出発しているのかもよく分からない、ちょっと謎の駅です。
なお昔は、この辺りに大きな倉庫街があったとも伺いましたので、もしかしたら貨物列車が発着している駅なのかも知れません。

ところで、すでにお気付きの方もいらっしゃるかも知れませんが、ここパリには、パリ駅という名前の駅は存在しません。

また、いまご紹介した駅と駅とを結ぶ環状の線路、東京で言えば山手線のような線路はありませんので、駅と駅との間を移動する場合には、バスやメトロ(地下鉄)などに乗り換えることになります。

なお、言葉では表現しづらいのですが、パリの各駅には、何とも言えない良い雰囲気があります。
大きな屋根のかかった薄暗い駅の構内。
壁に掛かった大きくてレトロな感じの時計。
そして、日本に比べたらちょっと低いホーム。

そんな中を、いろいろな国の人たちが、賑やかに、また、時にはちょっと寂しそうに、行き交っています。
そして、発車の時刻になると、音もなく、ゆっくりと、列車が出て行くその様は、何とも言えない旅情を感じさせます。

皆さまもパリにいらした時、是非、駅の中も覘いて見てください。
切符がなくとも駅の中やホームまで行くことができますので、いまお話したような光景をご覧いただくことができます。

また機会があれば、駅から列車に乗って、フランスの地方にもお出かけいただきたいと思います。

以上、今日はパリにある、フランス国鉄(SNCF)の駅について、少しだけお話をいたしました。