016 パンデピス
スパイスたっぷり、ほんのり甘いパンデピス(pain d'epices)。
フランスでは、秋の終わりから旬の料理とともにアクセントとして使われます。
バターや油分は全く入っていないうえに、ライ麦を使っているため、とてもヘルシーです。
はちみつの効果で日持ちもするので、少しずつ、いろんな食べ方で楽しむのもおすすめ。
もちろん、そのままお茶菓子としていただくのも良いですが、気軽にお料理にも使ってみてくださいね。
はちみつで焼き上げたスパイスの香り高い焼菓子風のパン。
もともとは宗教的な催事の日のために焼かれていたパンで、フランスのアルザス地方やブルゴーニュ地方の郷土菓子としても知られています。
しょうがを加えたり、はちみつの分量が異なったりと、地方やご家庭によって、それぞれの味があるようです。
【材料:パウンド型21cm分】
- 薄力粉:100g
- ライ麦粉:200g
- ベーキングパウダー:20g
- 砂糖:60g
- 卵:4個(約200g)
- 牛乳:150g
- はちみつ:300g
- シナモン:大さじ1と1/2
- ナツメグ:大さじ1/2
- アニスパウダー:大さじ1/2
- バニラビーンズ:1本
- オレンジピールコンフィ:3枚
- レモンピールコンフィ:2枚
ライ麦粉、小麦粉、オレンジピールコンフィ、レモンピールコンフィ、アニスパウダー、卵、砂糖、シナモン。
パンデピスの材料、はちみつと牛乳。
バニラビーンズ。
ナイフでバニラビーンズを縦に割き、ナイフの背を使って中の種を削ぎ落とします。
取った種はそのまま生地に加えてください。
なお、残ったサヤはよく乾かして、お砂糖壷の中に入れておくと、バニラの香りがお砂糖に移り、紅茶やホットミルクをいれた際にほのかな香りを楽しむことができます。
オレンジピール コンフィ、レモンピール コンフィ。
オレンジやレモンの皮を甘く煮たもの。
刻んで加えれば、香りや歯ざわり、ほんのり苦い甘さが良いアクセントになって、ぐっと華やかなパンデピスになります。
【手順】
- オーブンを150度に温めて、型にクッキングシートを引く。
- 薄力粉、ライ麦粉、ベーキングパウダーを合わせてふるう。
- 大きめのボールに、卵を割りいれ砂糖を入れ泡立て器でよく混ぜる。
- 上記3.に牛乳と、ひと肌に温めたはちみつを合わせ入れる。
- オレンジ コンフィとレモン コンフィを小さな角切りにして混ぜ入れる。
- スパイスも含め粉類をすべて混ぜ合わせる。
- 型に流し入れて、30分から40分焼く。
- 各オーブンによっても火力が違うので、竹串を刺してみて生地がついてこなければOKです。
- 八角(anis etoile)しか手に入らない場合は、牛乳を温めた中に入れて八角の香りを牛乳に移すようにして使うことをお勧めします。
- スパイスはお好みに合わせて、調節してみてください。
- オレンジ コンフィ、レモン コンフィが手に入りづらい場合は、オレンジ マーマレードなどを大さじ3ほど焼く直前に軽く混ぜ入れてみてください。
ボールに卵を割り入れ、砂糖を加えて泡立て器でよく混ぜます。
はちみつは上質であるほど固い場合が多いので、電子レンジなどで温めて柔らかくしてから加えましょう。
あらかじめふるっておいた粉類を混ぜます。
今回は、粒のナツメグをすり下ろして加えました。
クッキングシートを敷いたパウンドケーキ型に流しいれます。
竹串を刺してみて、何も付いてこなければ焼き上がり。
【あやこのコメント】
パンデピスのおすすめな食べ方をご紹介します。
- スライスを軽くトーストしてバターを塗る。
- トーストしたものを大きめに砕いてアイスクリームに混ぜる。
- フォアグラのお料理に使う。
- スライスを1/4の正方形にしたものにチーズを乗せて、ワインのお供に。
- クルトンとして、スープのアクセントに使う。
- カナッぺとして使う。
バターなどの油を使っていないため、酸化の心配がなく、また、はちみつやスパイスの殺菌効果によって日持ちします。
ラップなどで密閉して乾燥を防ぐことが必要ですが、その際は完全に冷めていることを確認してからラップしてください。
ボナペティ!
フランスでは、デザートとしていただくというよりも、フォアグラなどとともに前菜としていただくことの方が多いようです。
【スパイスあれこれ】
オレンジ コンフィ、レモン コンフィが手に入らない場合には、オレンジ マーマレードを大さじ3ほど、焼く直前に混ぜ入れてください。
今回は生地にシナモンパウダーを加え、飾り付けにはシナモンスティックを使ってみました。
フランス語ではカネル(cannelle)と呼びます。
アニスパウダーとは、アニスの種を粉状にしたもの。
中華料理などでおなじみの八角はその香りがアニスに似ていることから、フランス語ではアニス エトワール(anis etoile)と呼ばれます。
今回は八角を飾りつけに使いました。
ひき肉料理との相性がよい香辛料、ナツメグ。
甘い香りを活かして、お菓子作りにも使います。