2016年05月02日(月) しっくり馴染む

パリのメトロ(地下鉄)の出入口には、エクトール ギマール(Hector GUIMARD)の作品がたくさんあります。

ギマールは、アール ヌーヴォー(art nouveau:19世紀末から20世紀初めにかけてヨーロッパを中心に開花した美術運動)を代表するフランスの建築家。
花や植物などをモチーフに、美しい曲線を組み合わせた作品が特徴です。

なお、普段メトロを利用する時には、どこかへ向かう用事があったり、自宅へと急いでいたりするので、彼の作品をゆっくりと眺めている時間はありません…。

しかし、時々ふと思い出したように眺めると、これがなかなか素晴らしいのです。
確かに、ちょっと不思議な造形ではありますが、パリの街にしっくりと馴染んでいて、これがなかなか良いのです。

この街に住む人々が彼の作品をどう思っているのかは分かりませんが、日本人の僕にとっては、エッフェル塔や凱旋門と同じくらい、パリらしいとも思います。

フランス パリ アール ヌーヴォー
パリの中心部、シャトレ(Chatelet)駅の出入口。
待ち合わせをする人々の姿もたくさん。
東京、渋谷のハチ公前みたいな使われ方?

フランス アール ヌーヴォー
メトロの出入口で、最も多い彼の作品がこの形。
ただし、駅の出入口によって、その幅や長さが異なる。

パリ アール ヌーヴォー
花や植物をモチーフにしたと思われる造形。
赤く、ぼんやりと灯るランプがちょっと奇怪…。