フランスの気候と日本の気候 その違いとイメージ

488 梅雨のイメージ

6月も下旬となり、パリは今、1年で1番過ごしやすい季節を迎えています。
梅雨のないこの街では、例年、夏至の日を中心とする前後2週間くらいが、心地良い初夏の陽気になるからです。

なお、先日、とある交差点で信号待ちをしていた時のこと。
横断歩道の脇にあったお花屋さんの店先にふと目を向けたら、青い色が何とも言えず美しいあじさいの花が並んでいました。
それはまるで、心地良く晴れわたった今日のパリの空のよう…。

しかし次の瞬間、ふと、思ったことがあります。
それは、あじさいの花に対する印象。

僕にとってのあじさいは、まさに梅雨のイメージ。
子供の頃から、6月と言えば梅雨、梅雨と言えばあじさい、と相場が決まっていたからです。

ところがここパリでは、あじさいと言えば初夏のイメージ。
美しい夏空のもと、まもなく訪れる楽しいバカンスに心を躍らせるような、明るい印象です。

同じ花であっても、その土地の気候風土によって、こんなにも印象が異なるものかと、あらためて思った出来事でした。

また、そのことをきっかけに、思い出したことがあります。
それは、今から20年以上も前のこと…。

アメリカ東部、ボストンの街で生まれ育った友人を伴って、新潟の実家に帰った時のことです。

彼と一緒に田舎の散策に出かけた際、近所にあった竹やぶを見て、彼が放った一言は今でも忘れられません。

「おおっ! トロピカル~」

アメリカの、寒い気候風土の中で生まれ育った彼にとって、竹は南国のイメージだったのです。

なお、パリで生まれ育った人々が、あじさいの花に対してどのようなイメージを持っているのかは伺ったことがありませんが、もし僕が彼らの前であじさいを見るなり…

「おおっ! 雨のイメージ~」

と言ったら、皆、首を傾げるでしょうね。