パリ 春の風景

398 あなたの春は、どんな春?

インターネットを見ていたら、「あなたは何に春を感じますか?」と書かれていました。

僕が、春を感じる時…。

それは雪が融け、自転車やオートバイに、その年、初めて乗った時。
僕の生まれ育った雪国新潟では、冬の間、自転車やオートバイに乗ることができません。

しかし春になり、辺りの雪が融け始めた頃…。
実家の裏にある物置に入り、雑然と積み重ねられたものの奥に、自転車やオートバイが見えた時の嬉しいこと!
愛しい恋人に、久しぶりに出会った時のような、ドキドキ感があります。

そして、半ば強引にそれを物置から引っ張り出し、春の光りの中に走り出す…。
もう、この瞬間が、本当に最高なわけです。

ところ変わって、ここパリでは、何に春を感じるか…。

1つめは、夜明けのクロウタドリ(merle noir)。

クロウタドリとは、ヨーロッパに多く生息しているツグミ科の鳥で、さえずりが美しいことで有名です。
朝起きて、台所でコーヒーを淹れている時、窓の外から美しいクロウタドリの声が聞こえて来ると、「ああ~、春だな~」と嬉しくなります。

2つめは、白アスバラガス。

マルシェ(朝市)の八百屋さんの店先に、たくさんの白アスパラガス並んでいるのを見ると、「おっ! 春だね~」と思います。

そして、何本か買って帰って蒸し、熱々のうちにいただくと、ちょっとほろ苦いその味が何とも言えずいい感じ。
もちろん、どれほど美味しいと言うものでもありませんが、でも、パリの春にはなくてはならない味だと思います。
それはちょうど、故郷新潟で春菜のおひたしを食べるのに似ています。

3つめは、菜の花畑。

春、パリ郊外の田舎道を車で走っていると、一面の菜の花畑を目にします。
もちろん、日本にも菜の花畑はあると思いますが、フランスの菜の花畑はとにかく広い。
見渡す限りの、真っ黄色の大地です。

路肩に車を停め、エンジンを切って車外に出ると、目の前に広がる壮大な風景…。
地平線を境にして、上半分は真っ青な空、下半分は真っ黄色の菜の花畑…。
さらに、その間を、心地よい春の風が静かに渡って行きます…。
そして、そんな中に立っていると、壮大な青と黄色に挟まれて、身動きが取れなくなってしまうような錯覚が…。

あなたの春は、どんな春ですか?
楽しく、素晴らしい春をお過ごしください。

クロウタドリの声