フランス アルザスのワインを愉しむ

370 あっちの水、こっちの水

フランスとドイツとの国境、アルザス(Alsace)地方を旅しました。
今回の旅で僕が楽しみにしていたのは、アルザスのワインを飲むこと。

アルザスのワインは甘い…という印象があったので、普段はあまり飲みません。
しかし、今回はその本場に出かけるわけですし、また、日本の某カイドブックに「甘口のドイツワインを想像してもらっては困る…」と記されていたので、心ゆくまで楽しみたいと思っていました。

また、ボルドーやブルゴーニュのワインは村や畑の名前で呼ぶのに対して、アルザスのワインはぶどうの品種で呼ぶとのこと。
リースリングやミュスカ、ピノ ブランなど、代表的な7つの品種のうち、今回は5つの品種のワインを飲んでみました。

しかし、5つの品種それぞれに違いがあるのはもちろんのこと、同じ品種のぶどうから作られたワインでも、味や香りに大きな違いがあることも解りました(お値段にも!)。
やはりこれは、同じ品種のぶどうから作っても、採れた土地やその年のぶどうの出来、ワインを作った蔵元の考え方などによって、さまざまな違いが出るのでしょう。

さらに、ワインの産地を実際に巡って感じたことは、一口にアルザスワインと言っても、南北約100キロにわたる広い地域で作られているということです。
やはりこれだけ広いと、気候や土壌、水などにも、少なからず違いがあるのではないでしょうか(あなたの住む町から、100キロ離れた別の町のことを想像してみてください…)。

そして、この広い地域の中に、ポツリ、ポツリと小さくて可愛らしい村が点在しています。
また、それぞれの村の中にはたくさんの蔵元が軒を連ねていて、ここも蔵元、あそこも蔵元、そのまた向こうも蔵元…、という感じ。
その様子は、ワインの蔵元と言うよりも、ワイン農家とか、ぶどう農家と言った方がよいように思います。
そう、それぞれのご家庭が、それぞれにワインを作っていらっしゃるような感じです。

その上、味や香りについては、さらりとした辛口の1本もあれば、心休まる甘口の1本もあり…。
それはまるで、日本の童謡「ほたるこい」のよう…。
「あっちの水は辛いぞ、こっちの水は甘いぞ」…という感じ?