フランスでのチップ、渡す? 渡さない?

346 これで何か飲んで

ご旅行でパリにいらっしゃる方から良く聞かれる質問に、チップがあります。
ホテルやレストランなどを利用した時に、「チップを置くのか、置かないのか?」、また「置くとしたら、いくらくらいが適当か?」ということです。
チップを置く習慣が一般的ではない私達日本人にとっては、解りづらいものかも知れません。

そこで、フランス人の知人に聞いてみると…

「チップは必ずしも必要ではない」

…と言う人や…

「チップを置くのは日本人くらいだよ」

…なんて言う人も。

しかしその一方で、一緒に食事に行くと必ずチップを置くフランス人もいます。

チップとは、もともと心づけ(特別な配慮に対する感謝の気持ち)なのですから、本当にいいサービスを受けたとか、特別な気づかいをしてもらって嬉しかったという時に、その気持ちの表れとして、それに見合った金額を置くのが良いと思います。

ちなみに、フランス語ではチップのことをプーフブワール(pourboire)と言いますが、pourは「~のために」、boireは「飲む」という意味ですから、もしかしたら(もともとは)「お心遣いをありがとう。これで何か飲んでください」なんていう気持ちの表れなのかも知れませんね(本当?)。

なお、僕の場合には、レストランやカフェで食事をしても、チップを置くことはほとんどありません。

このことは、いわゆる高級レストランに行っても同様です。
何故ならば、代金をカードで支払う場合が多いことや、予めサービス料が代金に含まれているところもあるからです。

また、それ以上に、僕みたいな一見(いちげん:馴染みの客ではない、初めての客)が、知ったふうに高額なチップをテーブルに残していくことに違和感があるからです。

その一方で、必ずチップをお渡しすることもあります。

1つめは、ホテルや民宿に連泊する時のこと。

僕は旅に出た時、同じ宿に何泊かして、そこを拠点に動くことが多いのですが、毎朝、部屋を出る際に枕元にチップを置きます。
大抵は1~2ユーロ硬貨1枚ですが、紙切れに短い手紙と私達2人の似顔絵を書いて、それと一緒に置くのです。
すると、お部屋のお掃除を担当してくださる方からお返事のお手紙をいただいたり、廊下で合った時に声をかけてくださったり、宿のご主人から挨拶されたりするのです。
そしてこのことが、より快適に過ごすことに繋がっていると思います。
これは、チップの額ではなく、「ありがとう!」という気持ちを伝える短い手紙と似顔絵の効果なのでしょう。

2つめは、パリの街中でお手洗いをお借りした時。

以前はお手洗いの入り口に人が座っていて、使用料を徴収するところが多かったのですが、最近は無料になったお手洗いが多いのです。
しかし、その一方で、いつもきれいにお掃除してあり、また、気持ち良く使わせていただいた場合には、お手洗いを出る際に係りの方にチップをお渡しするようにしています。
これもまた、「本当にありがとう!」という気持ちから。
いいえむしろ、「ああっ、本当に助かりました~」という気持ちからとでも申しましょうか…。

3つめは、スーツケースなどの大きな荷物を運んでもらった時。

大きくて重い荷物を持ってタクシーに乗った時(トランクへの上げ下しを行ってもらった時)や、ホテルに着いてポーターさんに荷物を運んでもらった時。
荷物1つについて1~2ユーロくらいをお渡ししています。

4つめは、オペラやバレエなどの観劇に出かけた時。

劇場に着いて、自分の席まで行く時です。
入口のドアのところに案内係の人が立っていて、チケットの半券を見せると席まで案内してくださいますので、その際に1ユーロ硬貨をお渡ししています。
パリに来てオペラやバレエを観た時に、周りの方々がさりげなくそうなさっている様子を拝見し、このチップの習慣を知りました。