フランス地図の上をワインで旅して

323 青いてんとう虫

復活祭のお休みを利用して、南フランスの田舎を廻る私達の旅。
リル シュル ラ ソルグ(L'Isle sur la Sorgue)の町で開かれる大きな蚤の市を覘く他は、これといった予定はありません。

木曜日の朝、パリからフランスの新幹線 TGVに乗り、南仏アヴィニヨン(Avignon)の街へ。
駅前のレンタカー屋さんで借り受ける車を目にした時には、「わっ! 小っちゃい!」というのが正直な僕の感想。
コロンとした丸い車体にパッチリとしたお目めが付いたその様は、まるで、てんとう虫のよう…。
春の海のように鮮やかな青い車体がオシャレです。

さて、今回はこの青いてんとう虫とともに、アヴィニヨンから北へと広がるワインの産地、コート デュ ローヌ(Cotes du Rhone)を旅することに。

東に美しい村があれば、行ってフラフラと歩き、
西にきれいな小川があれば、行ってその水をすくい、
南に美味しそうなお店があれば、行ってお腹いっぱい食べ、
北に涼やかな木陰があれば、行ってその下でお昼寝し、

元気な時はドンドン歩き、
疲れた夕にはお風呂に入り、
みんなに「ボンジュール!」と挨拶され、
褒められもせず、苦にもされず、

そんな呑気な、私達の旅なのでした。

なお、突然ですが、南フランスの美しい春の風景を、上空の高いところから見下ろしている様子を想像してみてください…。

なだらかな丘の連なりは、どこもかしこも、一面のぶどう畑です。
そして、その中にポツリ、ポツリと桜の花が咲いていたり、たくさんのタンポポが咲いていたり…。

小川にはきれいな水がサラサラと流れ、時折その中にキラリと魚影が光ります(僕は年甲斐もなく、車を運転しながら童謡 春の小川を歌っちゃいました)。

また、小高い山には、古いお城や教会を中心とした小さな村(鷹の巣村)がへばり付いていて、ごく僅かに人影が見えます。

そして、そんな美しい風景の中を、小さな青いてんとう虫が、ちょこちょこと動いています。
右へ行ったり、左へ行ったり、時にはクルリと回ってみたり…。

フランスに住んで3年。
これから先のことや、老後のことなどを考えると不安な気持ちでいっぱいになりますが、しかし今、2人とも元気で、こんなふうにしていられることをありがたく思う、そんな旅でした。