322 美味しい国はいい国だ

復活祭のお休みに出かけた南フランスで、コート デュ ローヌ(Cotes du Rhone)と呼ばれる産地のワインをいくつかいただきました。

正直なところ、僕はワインについてはまったくの素人。
何も語ることはできません。
ただただ美味しいお料理と、美味しいワインをいただくことができれば、それで幸せです。

なお、日本にいた頃には、ワインは特別な日の飲み物という気がして、お誕生日やクリスマスにしか飲みませんでした。

しかし、パリに来てからはそれが一転。
特に理由がなくても、お昼ご飯にちょっと(?)飲んだり、夕ご飯にたくさん(?)飲んだり…。
本当に身近な飲み物となり、いろいろな味と香りを楽しんでいます。

今までで1番美味しかったのは、南仏シャトーヌフ デュパプ(Chateauneuf du Pape)の村にある、小さなレストランでいただいた赤ワイン。
その土地やその気候、その日のお天気にピッタリとはまった1本でした。

それ以降、何度となくシャトーヌフ デュ パプの村のワインを飲んでいますが、あの時の味と香りに敵うものには、いまだ出会っていません。

また、今回の旅で1番美味しかったのは、ジゴンダス(Gigondas)の村のレストランでいただいた、2001年産の赤ワイン。
僕の中では、前出のシャトーヌフ デュ パプに並びます。

なお、このレストラン、雰囲気は良く、給仕の人も親切で、お料理も美味しかったのですが、中でも素晴らしかったのがパン。
僕の中には、「パンが美味しいレストランは、良いレストラン」という公式(?)が出来上がっていて、パンの美味しさはレストラン選びの大切なポイントになっています。
そんな、気持ちの良いレストランでいただいた地元のワインだったので、なおさら美味しく感じたのでしょう。

ところで、ワインの味や香りは、飲む時の気分や体調、一緒に食べるお料理など、ワイン以外のものによっても変わると言われますが、今回の旅でいくつかのワインを飲み、本当にその通りだと感じました。

また、フランスには「良いワインは旅をしない」ということわざがあるそうですが、やはり人間が旅をして、ワインに会いに行かなければならないようです。

なお、ジゴンダスの村のワインがすっかり気に入った僕。
レストランでの食事の後、村外れにある蔵元まで、同じワインを買いに行きました。
ところが…

「2001年は、もう売り切れなんですよ」

…とのこと。
ああっ…、幻のジゴンダス2001年…。