221 クレヨンって言ったら?

クレヨン。この言葉を聞いて、皆さまは何を思い出しますか?

僕は、子供の頃、お絵描きの時間に使った、あのクレヨンです。
箱を開けるときれいな色がたくさん並んでいて、何だかそれだけでワクワクしたものです。

もっとも良く使ったのは「ぺんてる」や「サクラ」の12色セット。
中には20色以上も揃った豪華なセットもあって、それを初めて手にした時には、これでどんな絵でも描くことができるような気がしたものでした。
しかし、子供の頃は頻繁に使っていたクレヨンですが、大人になったらさっぱり使わなくなってしまいましたね…。

さて、なぜ、今日の話題がクレヨンかと言えば…
先日から習い始めたフランス語教室で、ある時、先生がおっしゃいました。

「これから言うことを聞き取って、クレヨンで紙に書いてください」

…と。それを聞いて、「えっ?」と思った僕…。

「クレヨンで書いてくださいって、クレヨンなんて持ってないですよ」

…と。

実は、フランス語では鉛筆のことをクレヨン(crayon)と呼ぶのだそうです。
フランス語を学んだことがある方にとっては何も不思議なことではないと思いますが、僕にとってはそれがとても新鮮で…。

「鉛筆のことをクレヨンと呼ぶのなら、クレヨンのことはクレヨンと呼ばないのか?」

…と、頭の中がグルグルしてしまいました…。

手元にあった電子辞書の広辞苑でクレヨンという言葉を引いてみたら、「クレヨン(crayon、フランス)、学童などが用いる図画用の絵具。石鹸・蝋・脂肪などに各種の顔料をまぜて…」とありました。
どこで、どう間違えて鉛筆がクレヨンになったのか(いやいや、クレヨンがクレヨンとして日本に伝えられたのか)と考えたら、ますます頭の中がグルグルしてしまって…。
それ以降、先生の声はさっぱり頭に入って来ませんでした…。