220 水仙の花言葉

一雨ごとに春らしくなって来たパりの街。
気がつけば、来週からは夏時間(サマータイム)が始まります。

さて、パリの5区、パンテオン界隈では、先週、黄色い水仙の花を手に持って歩く人々の姿をたくさん見かけました。
実は、3月22日から26日までの間、パリの5区にあるキューリー研究所(キューリー夫妻の志を受け継いで医学の研究が行われている高等教育機関)が中心になって、がん撲滅キャンペーンを行っているからです。

今年で3回目になるこのキャンペーン、キューリー夫人が眠るパンテオン前の広場には黄色い水仙が咲き誇る庭が設けられ、道往く人々に募金を呼びかけています。
そして、その趣旨に賛同する人は、水仙の花か、水仙のアートフラワーバッジを1本2ユーロ(約280円)以上で購入するのです。
集まったお金は、全額、キューリー研究所に寄付されるとのこと。

さらに、リュクサンブール公園からパンテオンに向かう歩道には芝生が敷かれ、それに沿って歩いて行くと、最終的にキューリー研究所の前にたどり着くという散歩道も設けられました。

なお、現在、研究所でがん治療に携わる人たちは2千人以上もいらっしゃるとのこと。
また、研究所の周辺では、そこで働く人たちの姿をモノクロ写真にした野外写真展が開かれています。

そして、写真の横に付けられていたコメントの中には…

「明日の命も約束されていない子供に、また1つの朝が訪れた。私達は彼を起こし、顔を洗い、食事をさせ、歌を歌い、文字の読み方を教える。健康な子供たちが当たり前のように過ごす1日を、病魔と戦う彼にもできるだけ与えてあげたいと、今日も彼の横に立つ」

…というものもあり、思わず目頭が熱くなりました(ホントは、ちょっと泣いた…)。

ちなみに、フランスで水仙の花言葉は希望。
皆さんにもこの春、たくさんの希望が訪れますように…。