133 5月の空を見た

今日のパリは、気持ち良く晴れた。
天気は西から急速に回復し、昨夜から降り続いていた雨も朝方には上がった。
そして、午前中のうちに雲1つない晴天となり、午後には5月の平均気温を上回る暑さになった。

バスティーユ広場に面したカフェの前を通りかかった時、歩道に張り出したテラス席にはたくさんの人がいて、皆、暖かな日差しを浴びながらくつろいでいた。
横断歩道を渡ってボーマルシェ大通りの反対側へと移り、バスティーユ ボーマルシェのバス停へと進む。

このバス停には20番、29番、65番の3つの路線バスが停車する。
僕が乗るのは29番のサン ラザール駅行きだ。
平日のこの時間、時刻表によれば9分に1本の頻度でバスが来ることになってはいるが、いつも、そして今日も、なかなか来ない。

明るい日差しの中に立って、ぼんやりと辺りを眺めて過ごす。
大通りの両脇に立つ街路樹の葉は青々と茂り、穏やかな風に少しだけ揺れている。

ほどなくバスが来て、目の前に停まった。
降車専用のドアが開き、子犬を連れた年老いた女性が1人、降りようとしているのが見えた。
ほの暗いバスの中から降りてきた子犬とその女性は、一瞬にして明るい光りの中に放り出された。
歩道に立った女性は少しだけ腰を伸ばし、明るく輝く5月の空を見た。