075 慣れって恐ろしい

慣れというのは恐ろしいもので、最近、自分でも気をつけなくてはいけないと思うことがあります。

それは、フランス パリの街中にあるパン屋さんで、バゲット(baguette:いわゆる普通のフランスパン)を買った後の扱い方。

バゲッドを買った人達を見ていると、大半の人はバゲットの真ん中あたりにクルリと巻いてもらった紙の部分を手で持って、そのまま(裸のまま)持ち歩きます。
何故ならば、フランス パリには、買ったバゲットを紙袋やビニール袋に入れてくださるパン屋さんは、あまりないからです。

僕が日本にいた頃には、テレビやドラマなどで、パリの街をバゲットを裸のまま持ち歩くパリジャン、パリジェンヌの姿を見て、格好良く思ったものでした。

しかし、この街に来て実際にその様子を見ていると、持ち歩いているバゲットがどこかに触れてしまったり、どこかにちょっと置いたり、そのままメトロやバスに乗り込んだりと、要は、バゲットは直接口に入れる食べ物であるにもかかわらず、雑に扱っている人が多いのです。

中には、買ったばかりのバゲットをその場でグニャリと半分に折って、お買い物かごの中に突っ込んでしまう方もいらっしゃいます。

さらには、バゲットを子供に持たせていて、バゲットの端が地面に着いてしまったり、道路の上に落としてしまったりする姿もちらほら…。

そして、このような光景を見るたびに、「えっ~(汚いな~)」と思っていた僕ですが、知らず知らずのうちに、この街に住む人達と同じようにしている自分がいます…。

日本の衛生観念は、ホントに素晴らしいもの。
日本の良いところは忘れないようにしなければ…と思う、今日この頃です。