046 南仏、バスの旅

今回の南仏プロヴァンス(Provence)の旅で、何度かバスを利用する機会がありました。
本当はレンタカーを借りる予定だったのですが、いくつものバスの路線があることを知り、それを利用してみることにしたのです。

なお、私達の行き先が小さな町や村ばかりということもあるのでしょうが、バスに同乗するお客さんは、いつもほんの数人。
ゴルド(Gordes)の村へ行った時には、往きも帰りも私達2人だけでした(バスも1日に3往復しかありません)。

また、田舎道をのんびり走るバスですから、運転手さんとお客さんが世間話をするのも日常茶飯事。
さらに、お客が私達しかいない時には…

「ここはメロンの産地なんだ。ここのメロンはフランスで1番美味しいよ!」

…とか…

「この辺りはフランスで最も美しいところさ。どうだい、きれいだろ?」

…なんて、運転手さんが話しかけてくださるのです(フランス語ですので、私達にはその一部しか理解することは出来ませんが…)。

なお、印象的だったのは目的地までに見る車窓からの景色。
プロヴァンスのぶどう畑やオリーブ畑の中を進む時の風景は、終わりのない、美しい映像を見ているかのようでした。
また、終点までの間に点在する小さな村々を繋ぐように、寄り道をしながら走るのですが、昼間でもひっそりと静まりかえった、ただ、蝉の声だけが盛大に響いているような小さな村を訪れるのは、本当に楽しいものでした。

さらに、もう1つの楽しみ。
それは、出かけた先の町や村でいただくその土地のワイン。
美味しい田舎料理のお昼ご飯と一緒に、思い切りその味や香りを楽しむことが出来ます。
このことは、レンタカーの旅では味わうことの出来ない、本当の贅沢でした。